便
           2002年〜2010年
 便-No.065(2010年3月8日号)


写真:新鮮! おいしそう〜!!
でも・・・・・

たまご常識のうそ(1)

たまごは箸でつまめない方がおいしい?
多くのお客さまがたまごは新鮮なほどオイシイ・・・ と思い込んでおられるようです。
確かに 見かけのおいしさ という視点からすれば新鮮なほどオイシソウに見えます。
しかし、“見かけ”ではなく本当の意味での “食べ物としてのオイシイ時期” ということからすれば生みたてではなく、季節によって違いますが今なら10日〜2週間後でしょうか。
なぜ??
結論から先に言えば、たまご内の炭酸ガスの含有量 ということになります。
新鮮なたまごはゆでたまごにしたとき殻が剥きにくいことはご存じの方も多いかと思われます。
これは、生みたてのたまごの中には炭酸ガスがたくさん含まれていて、ゆでるとその炭酸ガスの影響で内容物を内側から卵殻へ向けて強力に密着させてしまい殻が剥けにくくなってしまうのです。 そして時間の経過と共に炭酸ガスが抜けていき、抜けてしまうと中からの圧力がなくなり殻が剥きやすくなる・・・ということになります。
この、炭酸ガスが多量に含まれている期間があまりおいしくないようです。 換言すれば炭酸ガスが抜けきったころがおいしくなる、ということになりましょう。
この、炭酸ガスが抜けきるころが、今(冬期)だったら10日〜2週間後ということになります。
当然のこと、10日〜2週間もすれば新鮮なものよりも見かけが悪くなります。つまり生で割った時の盛り上がり方が低く見かけが悪くなってしまいます。 でも、この方が オイシイ のです。
テレビ等でよく見られる、 箸でつまめます or 楊枝がナン本刺さります といったことは鮮度の指標ではありますが、オイシサ という視点からはほとんど意味のないこととなります。

たかたまお客さまのお話:
    いやぁ〜ほんとだったね、毎日一個づつ食べていったら最後が一番おいしかった♪♪

ということで冒頭のハナシの結論:
  ★箸でつまめる新鮮なたまごより、箸でつまめなくなった2週間後のほうがおいしい。★

もちろん冷蔵庫には入れないで。 (冷蔵庫に入れるとおいしさが損なわれます。)
もちろんこれは、たかはしたまご限定 のおハナシ。

冷蔵庫に入れないで2週間も大丈夫??
詳しくは次回に。。。

 便-No.064(2010年2月11日号)

前号、ようやくモチベーションが少しだけ復活し・・・・と記してから1年半が経過してしまいました。その間、母の他界等気持ちの落ち着かぬことが多くありましたが、腰痛との闘いも多くの方々の助言等をいただきながら、完治とは言えないまでも、なんとかカタがつき平常な日常になりました。

お世話になりました多くの方々、感謝 です。ありがとうございました。

さて業界を取り巻く環境は・・・たまごの品質面に眼を向けるようになり少しずつ変化しているようです。しかし食品本来の追求すべき おいしさ という観点からはあまり変わっているようには思えません。 消費者のみなさまに少しでも多くのたまごをご利用いただきたく、、というのは業界全体の切なる願いなのですが、そのためにナニをするべきかということになるとどうも視点がずれているように思えてなりません。

低価格路線のマクドナルドが史上最高の売上高・利益を生み出したと言うニュースが記憶に新しいことですが、反面、1300円のハンバーガー、2700円の食パンのお店が大繁盛しているという内容が今日のニュースで報じられています。

物が安くなることが大歓迎なことは論を待ちませんが、反面このまま物価が下がり続けるとたいへんなことになるということも多くのみなさまの論じているところであり、そして、安くすればより売れるというものでもなく、消費者のニーズに合ったものならばそれなりの価格で買っていただけるという事例が、先述ハンバーガー・食パンに限らず最近の経済情報メディアでしばしば報じられるようになりました。換言すればこの不景気といわれる中、業績好調なのは例外なく顧客ニーズを上手に取り込んでいるところのようです、

わが たかはしたまご でも当初よりこうした、安価なことよりもそれなりの確かな品質を、、、《品質を落とすより値上げを》 というお客さまに支えられております。今後もこうしたお客さまのご期待を決して裏切ることのないよう、しかし値上げは極力避けるようこころして、仕事に取り組む所存です。


ということでこの1年半ブランクとなってしまいましたが、今後は業界よもやま話、たまごに関するトピックス等チョクチョク更新する予定です。 ご期待??下さいませ。 また、たまごに関するご要望・ご質問等お寄せいただければと存じます。可能な限りお答えさせていただきます。

 便-No.063(2008年9月7日号)

前号でも記しましたが、数百メートル歩けるようになり、ようやくモチベーションが少しだけ復活してきました。

いままで、腰足痛でほとんど動けず、なにをするにも集中力が持てず、何も出来ない日々が過ぎて行く、、と言う感じ。 当然、病院へ行く以外はどこにも出かけることは無し。 こういう状態が続くと明らかに 情報感度 が鈍くなっていくのを実感する。 そして当然当サイト更新ネタもなくなり、放置プレイ 状態。 まぁ、いわば過放電状態。今から急速充電するも、どこまで回復するやらあまり自信はありませぬ。

というわけで復帰第一弾が前回の さち雷失踪事件。
メデタシメデタシ。

けれども、たまごを取りまく環境は日増しに厳しさが増しています。
ご多分に漏れず、飼料原料の、それも特に良質原料の価格急騰。 昨年11月にたかはしたまご価格改定をさせていただきましたが、すでにいっぱいいっぱい。
たかはしたまごは、《品質を落とすより値上げを》というありがたいお客さまに支えられておりますが、こうしたお言葉に甘えることなく、極力値上げは避けるべく懸命の努力をしております。

原料事情:
どれもがたまごのおいしさに関わる大切のものですが、
使用量から見たときに主原料といわれるトウモロコシ、一般飼料用は不安定ながらも高値のまま比較的落ち着いた動き。 しかし、たかはしたまごで使う遺伝子非組み替え品に関しては、将来的には数量確保すら悲観視されつつあります。
ついでおいしさの最重要要素、魚粉と油脂。
たかはしたまごで使う良質水産用魚粉(*?昨年急騰しそのまま高値のまま安定。しかし油高騰漁船不出漁等により先行き不透明。 
さらにきびしいのは良質油脂。普通は“飼料用”といわれている、再生油(**)もしくは精油時後半に出来る油脂を使用。 わがたかはしたまごではとうもろこしの“バージン油”を使用しています。 このコーンバージン油、昨年から急騰し始め、未だにイキオイがとまらず昨年比2倍を超え、3倍超になるのも時間の問題かと。 ここで、“経営”を考えたとき“飼料用”が頭をよぎるのですが、やはりたまごの品質・お客さまのお言葉を思う時、品質を落とすことはできません。
その他たかはしたまご美味しさの源泉となる天然由来の純良微量成分原料も軒並み急騰。

こうした状況の中、安心してたかはしたまごをご愛用いただくべく、

 《いままで以上に無駄を省き、しかし必要なものはいままで以上に十分に》

を貫くことに全力を傾注する所存です。

    (*)一般の畜産用魚粉はたかはしたまご品質では使用できません。

   (**)スーパー、外食産業等が食品に使用したあと廃棄したものを
        精製した油脂。

 便-No.062(2008年9月2日号)

ご無沙汰でした。

体調の方もどうにかメドがつきいろんな意味でモチベーションが回復してきたこのごろ。

ところが、数日前の長時間の雷で 目の中に入れてもイタくない 愛犬が脱走。

食事もノドを通らないほど落ち込んでいます。

      養鶏日記9月1日

      http://www.takatama.com/index2.html

我ながら自分の落ち込み様に驚いている次第。

こんなことは、若かりし頃の失恋以来か。。。

   警察、保健所には連絡済み。

   あとは、果報は寝て待て。

アイツの性格からして、多分戻ることはないだろう。  というか、戻れないだろう。

どのような結果であっても ひもじい思い だけはしていて欲しくない。

お客さまに配っているアイツの写真が胸をしめつける。

 便-No.061(2007年11月20日号)

お客さま各位・・・・・緊急のお願い。

いつもたかはしたまごをご利用いただきありがとうございます。

 みなさまご承知のとおりトウモロコシが代替え燃料として使われるようになり穀類が大幅に値上がりしています。  また、石油の値上がり・中国の貿易船舶囲い込みによる海上運賃の異常な上昇に端を発して、たかはしたまごに不可欠な“高品質飼料原料”、パックその他資材の価格高騰、ものによっては入手困難になりそうな状況に見舞われています。
 こうした状況は、私どもこの10年来現在の価格を維持してまいりました懸命の経営努力の限界をはるかに超えるものとなっています。 経営を立て直し、そして“断じて品質を落としてはならない”というお客さまのお声・ご支持いただいている、 

        “たかはしたまご品質”  

を維持するためにも、誠に断腸の想いながら、最低限の価格改訂をさせていただきますことをお許しいただきたく存じます。

   そしてさらには状況の推移によって再度の値上げをお願いしなければ
    ならない現況にあることをご理解賜りますようお願いする次第です。

鶏の健康・おいしいたまご のため、なお一層の研鑽を重ねていく所存です。 
今後とも今までに増して たかはしたまご をご愛用いただきますよう、重ねてお願いする次第です。

          平成19年11月20日受注分より実施

               (有)たかはしたまご   高橋尚之

    (*)なお、一日の生産量は一定です。
       大量のご注文には応じられませんので、
       改訂前価格は 先着20名さま、お一人さま120個まで
       とさせていただきます。  
       発表は発送をもって代えさせていただきます。

 便-No.060(2007年10月25日号)


写真;さちの近況; “いらしゃいませ” 看板ムスメです。
   10月24日たかたま店頭脇にて
   http://www.takatama.com/Nikki05.html#054

 ビジネスモデル

今月の養鶏日記でも述べたようにようやく完治の確信が見えるようになりましたが、この1年、思うように仕事が出来ず、鶏さんにも大変迷惑をかけてしまいました。 エサの内容は変わらないので品質面では全く心配ないのですが、管理不行き届きでエサを食べる量が減少気味で、産卵量も減ってしまいました。 たかはしたまごご利用のお客さまには多大のご迷惑をおかけしていますが、間もなく正常に戻るでしょう。 もう少しご猶予をいただきますようお願いいたします。

閑話休題:
先日TVでお米の生産、消費について取り上げていました。
消費量が減り続け価格が下がり、輸入米が増えてきてこのままでは、米農家が壊滅的打撃を受ける。
安い輸入米に頼るべきか、、それとも主食として国産を維持すべきか・・・みたいな内容。

“消費量が減り続け・・・・・・・・”
そうなんでしょうか??

私の知るところでは、消費者と契約をして、数十町歩の田んぼを借り上げ米作に励んでいる元気のいい農家がおります。 契約は年々増え続け、田んぼはいくらでも借りられるとか。 
そして貸主(地主)さんも喜んでその土地の農作業に従事しているとか。
そして、その田んぼはとなりの田んぼとは比べものにならないほど元気、作柄がちがうとか。

 

こうなるまでは、言うに言われぬ苦労・努力があったと思いますが、消費者に受け入れられるお米の生産に成功しておられます。

もう一つの話:
先日TVで某女性タレントが精米したてのお米を初めて食べて、『お米とはこんなにおいしいものだったのか!!』と驚愕していました。
現在の流通体制では、お米の、“本当の美味しさ”は望むべくもありません。 またこのタレントさんのように “お米の本当のおいしさ”が実感できれば消費量はもっともっと増えることは確実と考えます。
ちなみにわがたかはしたまごでも最近新潟直送のコシヒカリを店頭で精米しお客さまにたいへん喜ばれています。

一方で、
先祖伝来の農地で懸命にお米を作る。 作ったものは必ず国が買い上げてくれる。
しかし所詮、国はヤクニン、売るための努力はしていません。 注文があれば出庫するだけ。 あの!、新潟コシヒカリも在庫の山とか。
売れないので税金を投入し転作奨励、さらには買い入れ価格引き下げ。だから高齢化農家に後継者がいなくなり先行き真っ暗。
売る方も、作る方も、どうしたら消費者に受け入れられるかを考え、工夫をしてる様子は微塵もうかがえません。 

“消費量が減り続け…”と言っているだけではどうにもなりません。
食べ物の基本は “おいしさ”。
お米のおいしさをアピールすれば:出来るようになれば、まだまだお米の消費は伸びると信じます。  
  (安心・安全なんか当然のこと)

ちなみに、上述の番組では、外国の精力的ブローカーが、ある日本の農家のお米を海外に持っていき好評を博している様子を伝えていましたが。。。。

   たまごの場合販売に関して国の関与はありませんが、
   なんだかビジネスモデルとしては、旧来の鶏卵業界とどこか類似点???

 便-No.059(2007年4月16日号)


写真;道路反対側20m先が《サイボク》さま駐車場。
    4月17日設置、18日撮影(クリックすると拡大表示します)

 『高橋養鶏場』のたまご

昨年ビンボー脱出のため看板をたくさん建てました。
おかげさまで、看板を見てきたという新しいお客さまが増えてきています。
ほとんどが《たかはしたまご》のことを納得の上でこられるのですが、中には、店頭の価格を見て思わず手を引っ込めてしまう方もおられます。 やはり《たかはしたまご》のことをよく知らないお客さまはこのようになるのでしょうか。。。。

多くのお客さまにお越しいただきうれしい反面、各方面から気になるハナシが耳に入るよーになってきました。 《たかはしたまご》ではない『高橋養鶏場』のたまごがあり、それを《たかはしたまご》と思い違いをされているよーなのです。

  初めて来られたお客さまがたかはしたまご店頭で、
   お客さま 「このたまごサイボクさんのと同じものでしょ??」
     私  「いいえ、違います、あれはほかの養鶏場のたまごです。」
   お客さま 「エェッ、うっそー、知らなかったぁ」
        「てっきりあれがたかはしたまごだと思ってた。」
        「だって、高橋養鶏場って書いてあったよ〜」

と言った会話が毎日のよーに繰り返されるよーになり、また業者さまからも同様な会話を聞いたの旨のおハナシをいただきます。 同じ“タカハシ”で多少の思い違いはあるのかなぁ、と思ってはいましたが、想像以上の多方面から紛らわしくて困る、とのご指摘・ご叱責をいただいています。

実は同じ日高市内に『サイボク』さんがあり、そこで《たかはしたまご》ではない『高橋養鶏場』のたまごを販売しているのです。
サイボクさんといえば県下有数の優良企業、お肉を中心に、ハム・ソーセージの他、パン、野菜など厳選されたグルメアイテムを豊富に取り揃え、ネット販売のほかレストラン、温泉などもあり休日ともなれば多くのひとで賑わい、一大レジャーランドとなっています。

   その中で『高橋養鶏場』のたまごが販売されています。
   サイボクさんの厳しい品質基準を満たした優れたたまごなのでしょう。
   しかしそれは 《たかはしたまご》 ではありません。

天下のサイボクさんと零細農家たかはしたまごとではいわば横綱と幕下、所詮勝負にはなりません。

   しかし《たかはしたまご》には、たまご職人として、
 “自称”世界一おいしいたまごを創ってきたという自負があります。 
   切磋琢磨して多くのお客さまにご支持をいただき、
   今の《たかはしたまご》があるという自負があります。

若干の遠慮・ためらいはありましたが、看板作戦最後のキワメツケとして、サイボクさんの近くに看板を一つ追加することにしました。

  お各さまが間違ったりしないよう、【情報】としてお知らせするために。
    そして、《たまご職人としての思い》をお伝えするために。
       《たかはしたまご》は、たかはしたまごです。

     サイボクさま、高橋養鶏場さま、ご理解くださいまし。
              f(^_^;    

高橋尚之

 便-No.058(2007年3月24日号)

  おいしさ、たまごのチカラ

2007/2/7、BBSにて話題になったよーに、飼料原料:トウモロコシがたいへんなことになっています。 アメリカ主生産現地には燃料向け製油工場が多数出来、本来の当該地域の飼料用トウモロコシは、他地方から逆移送してこなければならない状態とか・・・・。 多少の作付け増加は見込めるものの、中国向け輸出増も含め、とても需要増を満たすほどはないよーです。 このまま中国向け輸出・製油需要が増大すれば、極論すれば、アメリカからの日本の畜産向けトウモロコシが ゼロ になる・・・・・  まぁ、そこまではいかないでしょうが、需給がタイトになることは確実なよーです。 すでにトウモロコシ相場は高騰を続け、たかたまに限らず日本の畜産経営を圧迫しています。
こうした現状に対し、エコフィードと称して古米の使用、飼料用米の開発、食品残さの利用等がさかんに研究されていますが、実用にはもう一つ説得力・現実味が弱いよーです。

また、たかたま飼料の最重要原料の一つである純良魚粉もパニック状態です。
発展に伴い食生活の向上 → 食肉需要の増大 → 畜産業の拡大、ということで隣国中国が飼料用魚粉を世界中から高値で買い集めているよーです。 その結果、日本の商社が、中国の方が高値で売れる、ということで日本向けに輸入した魚粉までもを中国へ持っていってしまう、という現象がおきています。 当然国内では逼迫、というよりパニック状態。 価格も昨年比2倍を超え、さらに高騰中。 多くの飼料メーカーはこうした現状に対応するため、高値の魚粉の使用を控え、というよりも使用を止め、100%、脱脂大豆等植物性蛋白を使用しているメーカーも多いよーです。

コンピューターによる栄養計算ではそれでも目標の栄養数値が達成出来、産卵成績(数量)も魚粉を使ったモノに比べ遜色ないそーです。

こーした状況の中、市販の配合飼料も4月から値上げに踏み切るよーです。 しかし、この値上、たかたまが考えるより思いのほか小さい!! おそらく前述のよーに、最新の家禽栄養学・コンピューターを駆使し、人工のアミノ酸等で補いながら、産卵のための必要最低限の栄養・最低のコストを強力に追求した結果なのでしょう。

  しかし、、、、
  自然界の鳥類は必ず動物性のモノを食べています。 木の実・種などの
  植物性のモノだけしか食べないというのはほとんどいないでしょう。  
  といった自然の摂理など持ち出すまでもなく、“昔のたまごはおいし
  かった”といわれる ムカシの鶏はミミズ・小虫といった動物性のモノ
  を自由についばんでいました。
  ということで、たかたま飼料設計では動物性蛋白、植物性蛋白をなるべ
  く同じように使うのが基本です。 前述のよーに一般的には、動物蛋白
  が高価になると動物蛋白を減らし、その分植物蛋白を増やすことで蛋白
  量は確保でき、飼料コストが低減出来ます。 
  しかし、動物蛋白:魚粉をたかたま基準以下に減らすことは、たまご職
  人:たかたま としてはどーしても納得出来ないのです。
  おいしさ、たまごのチカラ(生命力)という点に於いて。

というわけで、BBSでも述べましたよーに、このところ来店されるお客さまの数も安定し、なんとかしのいでいますが『おいしさ・たまごのチカラ』にだわるたかたまとしては、昨今の飼料原料事情に鑑みて、たかたま品質維持 のため、早晩、価格の改定をせざるを得ず、断腸の思いながら、みなさまのご協力をお願いする次第です。

 便-No.057(2006年10月12日号)



写真:萌味たまご用 と 金印たまご用 の飼料。
(クリックすると拡大表示します)

  萌味と金印たまご

“金印たまごに比べてもタマゲルほどおいしい” 
というお言葉を数多くのお客さまからいただくよーになりました。 このところ萌味たまごの認知度が高まってきたよーです。

“金印と萌味、なにが違うの? 鶏??”
というご質問もたいへん多くなりました。 あまりのおいしさの違いが不思議に思われるよーです。
答は、鶏の品種は同じ、エサが違います。

   詳細は http://www.takatama.com/megumi.html

サイト内でも記しましたが、おいしさの違いはエサの違い。 品種、飼養形態(放し飼い)とかは全く関係ありません。 このことを説明すると、お客さまはたいへん驚かれます。 そして納得していただけます。 放し飼いが絶対においしいと思い込んでおられる方がたいへん多いよーで。

 写真上:金印たまご用飼料…たっぷりと自然の恵み
 写真下:萌味たまご用飼料…更に、自然以上に自然の恵みを取り込みました。

 便-No.056(2006年9月11日号)

  中国産うなぎ

たまごのみならず、畜産業界がたいへんなことになりそーです。

その壱:飼料用良質蛋白源、魚粉が暴騰しています。
資源の枯渇か、国内産飼料用優良魚粉がほとんど獲れなくなってしまった中、世界規模で、中国と魚粉の争奪戦を演じています。 日本の商社が日本国内用に輸入したモノでさえも、中国に持っていったほうが高値で売れる、ということで中国向けに輸出されてしまっているよーです。 中国の食生活向上もさることながら、日本向けのウナギの養殖に使われるのが主な原因とか・・・・。

  中国産ウナギを食べると日本の畜産物が高騰する・・・
  なんか、風が吹くと桶屋が・・・・  ??

魚粉を使わなくても産卵成績は変わらない、だから高価なサカナは使わず、蛋白源として大豆を使う、ということで昨今の飼料は魚粉の使用量はキワメテ少なく、中にはまったく使わず、【“植物性飼料”のみ使用】ということで、健康志向(?)を謳ったものさえあるようです。 しかしながら、私の体験では、たまごの“チカラ・おいしさ”ということを考えたとき、魚粉はどーしてもある一定量より減らすことは出来ません。
というわけで、純良魚粉を業界常識をはるかに超える量を使っているたかたまにとっては中国産ウナギの輸入量がたいへん気になるところ。

その弐:化石燃料から穀類:エタノール利用へ。
地球温暖化、将来的な原油対策から、アメリカではガソリンをとうもろこしから生産するエタノールを使用するようになりその割合が年々多くなっているそうです。 このままいくと近い将来アメリカからのとうもろこしが来なくなる・・・。 自給率がキワメテ低く、畜産飼料用のほとんどがアメリカに頼っている日本はどーなるんでしょうか・・・??

食料が“武器”になる、と言われている昨今、自給率の高いアメリカですら着々とテを打っています。 日本の農業・食料政策の貧困さを愁うのは私だけではないでしょう。

 便-No.055(2006年6月12日号)


写真;黒岩農園にて
  14日PM2:00

   復活

ご迷惑をおかけし叱責をいただきましたが、復活しました。 たかはしたまご。
これからもときにはいろいろ 事件 があるかもしれません。
何かおかしな変化がありましたらご連絡をいただければありがたく存じます。 
しかしまぁ、なにせイキモノ相手の上ほとんどが手作業、機械で作るものとは違いある程度のバラツキはご容赦いただきたく存じます。 

事件 の原因究明というより、結果よければ、、ということで今回の対応としては
  ・たかたま用天然素材自家製サプリメントの増量
  ・作業(飼料攪拌・給餌)精度の向上
というごく当たり前のことだけ。  
この、当たり前のことで復活したということは、当たり前でなくなったために 事件 となってしまったということ。 やはりこころのどこかにスキマがあったのでしょう。
今後の反省材料とするところであり、ご指摘をいただいた方々に感謝です。

ところで、トップ:養鶏日記No.89 にあるよーに、今までとは違う、一歩踏み出た 攻め の作戦。
土日だけながら、ほんのボチボチながら反応が現れはじめているよーです。 当然 初めて のお客さま、農場直売 ということで安価なことを期待して来られるよーです。 しかしほとんどの方が裏切られます。 けれども以前のよーに何もお求めにならずお帰りになるという方はほとんどおられないよーで。 ご不満ながらも単価の一番安いたまごをお求めになるか、あるいは逆に10コ1200円に興奮しながら(?) 萌味たまご をお求めいただく方。 前者の方にはぜひ再度ご利用いただけるよーに、後者の方にはご期待を裏切ることのないよーに、祈る思いで接客のこのごろ。
  しかしまぁ、ときには、不遜 な態度に出てしまうこともしばしばで。
  しかしまぁ、たかたまでは、これはこれで アリ という方向で‥‥。

               (*^_^*)

 便-No.054(2006年5月2日号)


写真:たかたま金印、やはり色調もやや薄い・・・?
   4月29日撮影

  たかたまのおいしさ低下!!

このところ、たかたまの品質(おいしさ)低下をご指摘いただいています。
おいしさ がウリのたかたまには存亡の危機。 飼料原料、配合割合は従前のまま、何の変化もありません。 とすると、考えられるのは個々の原料自体の栄養成分の変化(低下)。 しかしたかたま飼料の基本的考え方は 自然の恵み。 蛋白質、ビタミン等具体的栄養成分について分析してもあまり意味がありません。

     ???  ???  ???

さてさて困りました。 取りあえず、たかたま飼料の根幹をなす、自家製自然の素混合サプリメントを増量することとします。 状況からして、原料自体の栄養成分の低下にあることは間違いなさそーなんで、これで取りあえず回復するはずです。

原料自体の栄養成分の低下:
おいしさの素をなす微量成分の原料は天候により出来が左右されやすく、これまでもしばしばとりさだされたことがありました。 今回のたかたまおいしさ低下モンダイもこれと無関係でなないよーに思えます。 しかし、たくさんある飼料原料のうちどれが原因かを特定するのは膨大な費用がかかりすぎ、現実的ではありません。 原因の特定より結果がよければそれでヨシ、という方向で対処する予定です。
と言うわけで、上述の自家製サプリメントの増量で解決するハズ。 まぁ、2〜3週間後には解決するでしょう。

天候不順とかの以前のモンダイで、地球環境の破壊を前提とした経済の発展が進む限りこーしたコトが今後深刻化してくるのは避けられないでしょう。 野菜などはビタミン等昔にくらべるとそーとー減少してしまっているとか・・・・。

  とはいうものの、たかたま店頭では、金印、萌味たまごとも
  たいへん好評。 しかし、店頭のお客さまにはなかなかこー
  したご意見は言っていただけません。  このよーに気がつ
  いた変化を言っていただけるネットのお客さまはたいへん有
  り難いお客さまです。  これからも気がついたこと何でも
  進言していただくようお願いする次第です。

 便-No.053(2006年4月14日号)

   生鮮卵

卵輸入が急増しているそーです。 まずはYaHoo!ネットニュースから。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
   卵輸入11倍増 国産神話崩壊 流通量の8% 鳥インフル余波

 鳥インフルエンザの影響で生鮮卵の輸入が急増、物価の優等生の「国産神話」が崩れ始めている。平成十七年は前年の十一倍の約一万四千トンが輸入された。現在、加工用も含め、8%が外国産とみられている。鳥インフルエンザの発生以降、消費が後退したため、生産者が減産に踏み切り、その後、増産が間に合わなかったためだ。生産者団体は「産地表示が厳格に実施されているか実態調査する必要がある」としている。
 農水省などによると、生鮮卵の輸入量は過去十年以上、年間一千−二千トンで推移してきた。それが十七年は一万三千七百八十四トンと、前年の一千二百三十三トンから十一倍にも増えた。輸入先は米国、オランダ、ブラジルの順だった。
 生鮮卵の卸値はキロ当たり百−二百円と、戦後から一貫して安定していた。ところが十六年一月、山口県で鳥インフルエンザが発生したことから、鶏肉や卵に対する不安感が広がり、消費が減退し価格が低迷、価格維持のため生産者が減産した。実際は世界的にも鳥インフルエンザが卵から感染した例はなく、安全性は確認されている。
 その後、消費が上向きになり、価格が高騰した。しかし、鶏は孵化(ふか)して卵を産み始めるまで半年かかるため、増産が間に合わず、加工業者などが輸入に切り替えた。値段が高めでも新鮮な卵を安定して供給できるとして継続的に輸入が続けられている。
 卵の国内生産量は二百四十六万トン(十七年度)で、公式には国内自給率は95%とされている。輸入もこれまではパンやマヨネーズ、ドレッシングなどに加工される粉末や液状のものが大半だった。一方、生鮮卵の輸入には船が利用されており、保管状態が良好ならば数カ月保存できる。
 日本養鶏協会の推計では、生鮮卵や粉末なども含めた輸入卵は全流通量の約8%に達している。同協会専務理事の島田英幸さんは「再び鳥インフルエンザが発生した場合、相場が安定しないので、その補完として輸入している業者も多い。すでに輸入が恒常化してしまった」とみている。
 現在、スーパーなどで生鮮卵を販売する場合は産地表示が義務づけられているが、おでんの卵やゆで卵、煮卵、卵スープなどは表示されていない。
 島田さんは「消費者は外国産卵なんてと思っているかもしれないが、輸入ものが急速にシェアを拡大した野菜の例もある。販売する際の産地表示を徹底してほしい」と話している。
(産経新聞) - 4月9日2時26分更新
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
記されているたまご需給事情については事実でしょう。
内容によると
     生鮮卵の輸入には船が利用されており、
     保管状態が良好ならば数カ月保存できる。
とありますが、これもマチガイではありません。 しかしここで “生鮮卵” と謳っているのはどーゆーことでしょうか??  業界(日本養鶏協会)もマスコミも、数ヶ月保存したモノを “生鮮卵” として当たり前に認知しているのでしょうか??

数年前、京都の某山○養鶏組合で半年前の卵の出荷が明らかになりマスコミともども大騒ぎになったことがありましたが、今では業界だけでなく、そのマスコミまでもが数ヶ月前の卵をなんのためらいもなく “生鮮卵” という言葉を使っています。

十数年前、中国から “生鮮卵”を試験的に数トン輸入したことがあり、それは、国内産にテキトウに混ぜ込んで消化(消費)し、モンダイは起きなかった、という内容のウワサを聞いたことがありますが、今回の上記報道はどーなんでしょうかねぇぇ。。。。

そのころの輸入卵は “殻付き卵” という表現だったよーな気がするんですが。

たかたま店頭での、『スーパーのたまご』 の意味は相変わらずですが‥‥‥。

 便-No.052(2006年3月12日号)


写真:春。たかたま午後のひととき。
   3月15日PM2:30
    たかたま鶏舎にて

  アレルギー

たまごアレルギーの人でも食べられます。” というたまごは、たかたまを含めてたくさん有ります。 そして、先日うれしいお客さまに出会いました。

アレルギーはもとより、《たかたまを食べていると花粉症にならない》とのこと。

  いままで自分の周囲に自分を含めて花粉症の人がたくさんいる。
  そして今年、周囲の人たちが花粉症で苦しんでいるんだけど、
  自分だけは症状が出ない。 去年と変わったコトは、
  半年前からたかはしたまごをたべるよーになったこと、だけ。
  それ以外何もなく、周囲の人も不思議がっているけど、
  たかはしたまごのおかげ、としか考えられない。

と言われます。 もちろん他のたまごはもう食べられなくなってしまい、食べるたまごはたかはしたまごだけ、とか。
『食べてもたまごアレルギーにならない。』ということ以上に、これはスゴイ話です。
私自身、なんだか半信半疑なんですが、彼は、《まったく他には考えられない。たかはしたまごのおかげ』と信じていただいています。

注意!
これらの内容はわたしどものお客さまのご意見です。
実際にアレルギーの方がたまごをお召し上がりになる場合は各人の自己責任でお願いいたします。

閑話休題;
たかたま農場にSさんという67才の男性アルバイトさんがいます。 このSさん、歳のワリには、、などという言葉は失礼にあたるほど元気いっぱい、イキオイいっぱい。
他社を定年退職、その後請われて嘱託として仕事を続けながら、会社の休日等、仕事のあいまを見ながらたかたま農場で仕事をしていただいています。 私の指示がなくても自主的に仕事を見つけ、かなりの重労働の作業でも積極的に取り組んでいただいています。 もちろん医者知らず。 ときどき行う検診もあらゆる面で理想的数値。 アルコールも好きでなく、自分から飲みに行くことはないが、誘われればどこへでも出かける‥‥‥、好きではない、というのが信じられない、飲めない私にとっては羨ましいお方です。

彼の健康のヒミツ。 たかはしたまごでたまごかけごはんを毎日食べてる以外とりたててどーこーいうことはやってない、とのことだけど、さまざまな会話の中から考えると、彼は、季節の旬の野菜をたいへんよく食べています。 最近では一年中なんでも有り、あらゆる野菜に季節感が乏しくなってますが、彼は野菜の季節感をたいへん大事にしているよーです。 いちごの季節になればまっ先にイチゴ狩りに出かけ、たらの芽の時期になると自分で摘みとっててんぷらに。 これからタケノコが楽しみ…ことほど左様で季節にでる野菜をまっ先に食べる、といことを心がけているよーです。
その話を彼に向けると、意識はしてないが、そーなのかもしれない、、とのこと。
中医学の先生によると、旬のものには “気” が充実している、とのこと。 彼はこの自然の“気”を日ごろ採り入れていると思われます。

なんでも一年中あることが当たり前みたいになっている昨今、彼の話す食生活には非常に感慨深いものがありました。

自然の“気”という言葉が適切かどーかわかりませんが、たかたまでも、海の幸・山の幸を可能な限り採り入れるべく心がけています。 冒頭の花粉症が出なくなった事例もたかはしたまごがこの、《自然の幸・自然の恵み》をふんだんに取り込んであることと無関係ではないものと考えています。

 便-No.051(2006年2月10日号)


写真:給食お弁当にも 生たま ひとつ。
   これで午後の仕事パワー3倍増!!
   たかたま農場2月9日の給食弁当。
  やはり見た目も大切ですねぇ‥‥ 

   たかたまの食べごろ

《たまごは新しいほどおいしい、、、わけではありません。》
常日頃言っていることで、ここにお越しのみなさまには周知のことと思います。
酷暑期はともかく、今の時期だったら冷蔵庫に入れないで10日〜2週間。

ところが先日、とあるお客さまから
  “このたまごは3週間しないと 本当のおいしさ が出てこない。”
と言われました。(当然冷蔵庫に入れないで) さすがに私も3週間置いといたことはありません。 3週間もすると、さすがこの時期でもいくらか生みたてよりは見栄えがさえなくなってしまうと思われます。
生でたまごかけごはんにするときは 見た目 もおいしさの一つと言えましょう。 
そうした観点からは3週間も置いとくことの是非はありましょう。 しかし、『見た目のおいしさ』 でなく、『たべものとしての本当のおいしさ』 という視点で評価するならばやはりそのくらい置いといたほーがいいようです。

  いえいえ、新鮮だったらおいしくない、というのではありませぬ。
  生みたてであっても、市販のたまごよりはるかにおいしいのですが。
  あくまで比較のモンダイでして、
  取りあえずぜひ新鮮なものをお試しくだされ。
  しかる後に10日経たモノを。

店頭にお見えになるお客さまはまだまだ、たまごは新しければ新しいほどおいしい、、
と思われている方がおられます。 サイト内(*)で述べていますが、
  《見た目のおいしさ》 と 《たべものとしての本当の意味でのおいしさ》
の違いについてお話するとすぐにたかたまのファンになっていただけるよーです。

本稿前号にも述べたよーに、スーパーのたまご、こだわりのたまごの共存する時代。
どちらが良い悪いではありませんが、まだまだこだわりの部分をご存じない方も多いよーです。 そんな方々にぜひ一度 《自称世界一おいしいたかたま》 をお試しいただきたいものです。

   (*) http://www.takatama.com/megumi.html
      ・たかはしたまごをもっとよく知るための10大メッセージ

 便-No.050(2006年1月8日号)


写真:“寒ぅ〜〜い! でも負けないゾ”
        水道管が凍ってパンクしました。
  あの、ウィンドウレス鶏舎にはこーゆーことないんだろうけど‥‥
       1月7日AM8:00 たかたま鶏舎にて。

 時代の終焉

2006年、日本では史上初めて人口が減少に転じるそーです。
たまご業界も、人口増・消費増を前提として昭和の時代から一貫して規模が拡大に次ぐ拡大を遂げ “たまごは物価の優等生” に寄与してきましたが、そろそろ転機のよーです。 とはいうものの、大手業者さんはまだまだ更なる拡大を目論んでいます。

こーして、消費が増えない、あるいは減少傾向のなか、大手業者はますます巨大化、そして寡占化が進み、大手業者間でも熾烈な販売競争を強いられ、中小業者はすでに淘汰へのウゴキが始まったよーです。 そうした競争の中、以前本稿で述べた意味での “スーパーのたまご” は相変わらずのこと。 大手が大きくなればなるほど、競争がきびしくなればなるほど、経済指標優先による管理がきびしくなり、たまご本来の品質(おいしさ) はないがしろ(?)にされがちです。

いえいえ、大手業者さんの“スーパーのたまご”はヨクナイ、というのではありませぬ。 この“スーパーのたまご”もいろいろな事件をきっかけに10年前とくらべると格段の 品質向上 を果たしました。

しかしながら、慢性的生産過剰・相場低迷の中、過度な経済効率優先 という状況はあまり変わっていないよーで、たまご:食品本来の品質尺度 《おいしさ》 という部分ではほとんど進展がなかったよーに思えます。

そのことが、そしてまた、《たかはしたまご》がこの10年間少しずつではありますがおいしさという点で進化してきたことが、養鶏日記No.085でも記したように、遠方からお越しいただき、たとえ品切れ状態でも諦めずに、《たかはしたまご》をお待ちいただく、というお客様のご評価につながってきた気がします。

お客さまの要望は多様です。 大量生産の“スーパーのたまご”、“こだわりのたまご” どちらがいい、わるいではありませぬ。
しかし、冒頭のように、人口が減少に転じるとともに、作れば売れる大量生産一辺倒時代の終焉を迎えたことは確かなようです。 

     たかたまもビンボー脱出のチャンス??!!
            (*^m^*)

 便-No.049(2005年12月7日号)


写真:もうすぐ冬
   12月6日PM2:00
      たかたま農場近くにて

お客さまのために

 伝統につちかわれた昔からの味をかたくなに守り、名声を得ている老舗・名店は少なくありません。 しかし、善し悪しは別にして、好むと好まざるとに関わらず市場は常に変動しています。 お客さまのニーズも常に変化しています。 あの有名な、全国ブランド老舗のようかん屋さんですら、お客さまに飽きられないように、毎年味を微妙に変化させているとか。

 たかたまでも、一応めどが付いたところで販売を始めてから今日まで約10余年間。 毎年々々、少しでもおいしくなるために、すこしでも多く 自然の恵み を取り入れるべく工夫・変化をしてまいりました。 日々ご利用いただいている常連さまにはなかなか気づきにくいことかと思われますが、10年前のたかたまと比べたら大きな変化をしています。

 今般大反響をよんだ 萌味たまご はそうしたことの集大成と言えなくもありませんがしかし、これで完成したわけではありません。 いずれ競合品も出てくることでしょう。そのときたかたまは更なる上位品を持っていなくてはなりません。 そうしたことも含め、より多くのお客さまのニーズに合った、よりおいしいモノを、いえいえただおいしさだけではなく、あらゆる意味でのより付加価値の高い、一歩進んだ商品を創りあげるため、日々自然を見つめ、あらゆる可能性を考え試行錯誤を続けています。

  http://www.takatama.com/Tayori02.html#031

 そうした中、いつもより良い方向に進むとは限りません。 時として結果が伴わない、あるいは逆にネガティブな方向へ向かってしまうことがあることも事実です。 そのような場合、すぐにお客さまからご指摘を受けてしまいます。 そして速やかに修正することはもちろんです。

 最近鳥インフルエンザ関連で、業界の信用を一気に失墜させるような “事件” が起きています。 そして、建築構造設計偽装・・・・・・。 

いずれも、お客さまのことを忘れ、“自らの保身・経済合理性最優先” という発想からの事件といえましょう。 今の世情では、起こるべくして起きた、というよりも、たまたま発覚してしまった、と言った方が適切なのかもしれません。

こうした中での冒頭のような、老舗・名店、実に頭の下がるおもいです。

    商売、いえいえ全ての 仕事 の原点は

   お客さまに悦んでいただくことと思うのですが。

 便-No.048(2005年11月13日号)


写真:たかたま特製のおいしいお食事で今日も元気いっぱい。
たかたま鶏舎にて
  11月13日 AM11:00

 このところちょっとした たまごかけごはんブーム ???

  http://www.tamagokake-gohan.com/

仕掛けたのは島根県の醤油屋さん
  http://www.y-furusatomura.co.jp/

農水省・養鶏・米作農家まで取り込んだ、すばらしい企画・実行力に拍手!!!
最近TV等でも各地の料理を紹介する番組が多く、いわばB級グルメブーム。
そんな中でのこの企画、まさに時機を得たものといえましょう。
いやぁ〜 お見事!!

ということでたかたまでも当該イベント推奨の 2種類のおたまはん を含め、全国の たまごかけごはん用 といわれているお醤油をいくつか取り寄せてみました。

中には、 元祖たまごかけごごはん用醤油、本家たまごかけごごはん用醤油 なるものもたかたま店舗で販売するよう送られてきました。 それぞれ味付けに工夫がなされ独特の味わいがあるようです。

しかしながら、・・・・・
たかたまにはどうもに合いません。 こーした「たまごかけごごはん用醤油」、その味付けが たかたまの味わい の邪魔をしてしまうのです。 
そしてこの醤油、市販のたまごにはわりあいによくマッチするようです。  

つまりは、オイシサのないたまごには、こうした “味付け加工” をした「たまごかけごはん用醤油」が比較的よく合うようです。
そして、たかたまには、こうした 味付け加工 したものはかえってたまごの味わいを阻害してしまうようです。

まぁ、趣向品のハナシなので、どちらが良い悪いのことではないのですが、あらゆるものの 《ホンモノの味わい》 が薄れていく昨今の世情、本来の 《素材の美味しさ》 を味わっていただきたいと願うのですが、なかなか難しいことのようです。

たまごかけごはん用には、

  《自己主張ではなく、素材の味わいを生かす》 片上醤油。

      http://www.asm.ne.jp/~soy/
http://www.abetaya.com/foods/katakami.html

これに限ります。  独断と偏見!

とはいうもののこのブーム、全国的に広がっているようで業界としても喜ばしいかぎり。 たしかにこれは 仕掛けられた という側面もなきにしもあらずですが、やはり、素材のおいしさを味わうことが出来、しかも簡単! そしてさまざまなトッピングによるバリエーションも楽しめ、また、ごはんとたまごのアミノ酸相互補完関係など栄養的にも申し分なく、いわば従来のファストフード感とは一線を画した、日本が世界に誇れる理想的なファストフードとして、《たまごかけごはん》 が見直されてきたことの証と考えます。
当然のことながら、《生たまご》が主役。 そして、その品質はエサによって大きく変動します。 価格だけではなく、真においしく、そして真に信用のおけるたまごを使用していただきたいものです。

  たかはしたまご では、鶏;いのちにとって必要なモノは何か、、を
  発想の原点に、必要な栄養を十分に与える、ということをテーマとし、
  みなさまのご要望にお応えすべく、日々研鑽を重ねております。
   詳しくはサイト内の詳細をご覧くださいませ。

    ★正統派たまごかけごはんの食べ方    http://www.takatama.com/namatamagic/index.html

 便-No.047(2005年3月1日号)


写真:たかたま農場近傍にて。
    2月27日 AM12:00

 公取委 『適正表示を』

やはり言われてしまいました。
いつかは、こういう声が出ると思っていました。  

  問題は品質がどう上がったか…ブランド卵 
    (毎日新聞平成17年2月10日)

もともとこのブランド卵、低卵価にあえいだ養鶏家が経営安定のため少しでも“付加価値”をつけて高く販売するべく始めたもの、つまりお客さまのニーズからというよりは “生産者の論理” から始まったものが多いように思えます。

何か一つだけを加えて付加価値付き、ということで高く販売する。 曰く、“ビタミン入り”“ミネラルたっぷり”“DHA入り”あるいは“遺伝子組み換え無し”等々。

しかし、こうしたことが本当に品質が上がったものなのでしょうか??
私が常に主張している 《おいしさ》 という部分ではこうした“わずかばかりの付加価値”では向上することはありません。

また、付加価値として加えられる栄養素にしても、たまごから摂ることが本当に妥当なものなのか、また、たまごに移行しにくいものもあり、そのあたりのことを考慮せず、冒頭に述べたように、“生産者の論理”からのブランド卵が横行しているように思えてなりません。

また、安全面についても・・・
例えば、よく見かけるのが、抗生物質不使用。 このように唱えれば消費者ウケはよいのでしょうが、このようなことはあたりまえの事であり、抗生物質を混入するなどということはまずありえません。

    生協、大手スーパー等最近では自主検査が行われ、
    万一抗生物質等が検出されれば、即刻取引停止に
    なってしまいます。そうすると明日からのたまご
    の出荷先がなくなり、農場に、毎日毎日ナンtも
    のたまごの滞貨の山が積み上がります。(産卵を
    止めることは出来ません。)ただでさえ全国的に
    余剰気味であり、急にあらたなお得意さまを探す
    のは至難のワザ。   

   薬剤禁止の規則ウンヌンより、膨大な量のたまごの
   滞貨が毎日増えていく、そのようなオソロシイこと
   は養鶏経営者はとても出来ないというのが実感です。

全国に現在約900種類ものブランド卵があるとか。
同紙記事にもあるように、 あえて値の高いたまごを買う意味を考えることが必要でしょう。

  ・・・・・で、たかたまの意味は・・・!

 便-No.046(2005年1月8日号)


写真:
新春・春の息吹
   1月7日PM1:30 たかたま農場にて。

   ビンボー脱出・・・・?
このところ、たかたまのおいしさ についてほんの少し知名
度が出始めたよーです。 このたかたまを利用した新しいビ
ジネスモデルが持ち込まれました。 考え抜かれた、たいへ
ん優れたシステムのよーです。

これを実践すれば、たかたまのビンボー脱出も夢ではありま
せん。

それは、、、、
たかたま農場の全生産量を対象にし、従来のお客さまとは無
関係に新たに顧客を開拓するものであり、将来的には更なる
事業展開も可能となりましょう。

しかしそのことは、、、、、
現在のよーな 小規模たかたま では従前のお客様に多大な
ご迷惑をおかけすることを意味します。

小規模たかたまのよーなところ(特にたまご商売★)では、
急激な新規事業展開と従前のお客様重視、両立は出来ません。

“たまご職人”としては当然のことながら、後者の選択とな
ります。
ビンボー脱出も、それはそれは大きな夢ではありますが、こ
れまでたかたまを育てていただいた方々を裏切るよーなこと
は出来ません。



『ビジネス』・・・大変魅力的な言葉です。
しかし、今、こうーした場面に直面し、一歩間違うとそれは、
《感謝》 を忘れ 《生かされていること》 を忘れ、ただ
ただ経済目的:お金のためだけになりがちになる危険性をは
らんでいることに気が付きます。

ここ数年来のさまざまなビジネス不祥事の多くは、こーした
ことと無関係ではないのではないでしょうか。  IT、情報等
々、、、ともすると経済効率のみを唯一の目標指標ととらえ
ることが、こーした不祥事の遠因と思われてなりません。

                                                        
      まぁ、こんなことを言っているからいつまでも
      ビンボー脱出出来ないんでしょうがねッ・・・。

        持ち込まれたビジネスモデルが
         たかたま には大きすぎた、
           ということで。。

             (*^m^*)


★たまご商売:
消費量の変動が大きいため、年間を通じ常に余るか足りないかどちらか。
需要と生産量がバランスするということはほとんど皆無です。
特にたかたまの場合、余所から仕入れるということが出来ないので、
余剰のときは不足時を、不足時には余った対策を考えながらの神経戦・・・??

 便-No.045(2004年12月3日号)


写真:
たかたま農場のちいさな秋
   12月3日 AM:10:30

 先日、某TV料理番組制作担当の方とお話をする機会がありました。
もちろんたまごのこと。

やはり、たまごの取り扱いに関して誤解が多いようです。
ここで、あらためて、 “たまご常識のウソ” をまとめてみました。

 1)たまごは新しいほどおいしい・・・・・というのはウソ。
    箸でつまめる、楊枝が数十本させる、といったことは鮮度の
    目安であり、“見せかけ”のおいしさであり、食品としての
    真の意味での おいしさ を意味するものではありません。
    むしろ、今の季節だったら、生み立て直後新鮮なものより、
    一週間〜十日間経過(古く)した方が、見かけは悪くなるが、
    確実においしくなります。
   (生食の場合は見かけの良さもおいしさの一つといえましょうが。)
    直言すれば、新しすぎるたまごは、決しておいしくありません。
    当サイトBBS来訪者さまはこのことをしっかりご理解いただけ
    てるようです。

    もっとも、もともとおいしさの無いたまごはコノ事は当てはま
    らないようですが。

 2)たまごは必ず冷蔵庫に入れて保存する・・・・マチガエ。(*)
    一日でも冷蔵庫にいれるとおいしさが損なわれます。
    理由はわかりませんが、現実にはハッキリと認識できます。
    もっとも3)にあるように、洗浄した(市販の)たまご、
    あるいは《真のおいしさ》より“見た目”のおいしさを
    重要視する場合には冷蔵庫に入れましょう。
     (*)酷暑期はやはり冷蔵庫に入れた方がいいでしょう。 

    冷蔵庫に入れると、見た目のおいしさ は長持ちします。
        
 3)たまごは、洗ってキレイな方が衛生的・・・・ウソ。
    洗わない方が衛生的です。
    鶏は本来、孵化させるため体温約40度で三週間温めますが、
    その間、腐ったり、ばい菌が入ったりしないように、たまご
    が生まれた直後は、自然の形のバリアが付いています。
    洗うと、せっかく付いているこの 自然のバリア が流され
    てしまいます。
    そうすると、ばい菌が侵入しやすくなってしまします。
    最近では紫外線殺菌等がされているようですが、殺菌直後は
    有効ですが、自然のバリア の無い状態では、やはり安全と
    は言えないでしょう。
 
    多少汚れていても洗わない方が衛生的‥‥ヘンな言い回しですが。    

 4)卵殻は固くしっかりしているものがおいしい・・・・これもウソ。
    一般に若い鶏は卵殻は固く、鶏が古くなるほど薄く割れやすく
    なります。 そして、たまごの味は、若い鶏より古い鶏のほうが
    おいしいです。
 

 もちろんこれらのことは、十分に良質なエサを与えることが大前提ですが。


   いずれにしても、新しいからおいしいと云うことはなく、
   つまり《鮮度》と《おいしさ》はまったく別ものであることを
   多くの消費者のみなさまにご理解いただきたく思います。

   とは言っても 見せるメディアTV ではやはり 見た目 が
   最も大切。  TVでの 《たかたまのおいしさの表現》 は
   むずかしいんでしょうねぇ。。。



サイト内にも記述しましたが、大量生産大量消費の時代、あるゆる階層のお客様に対応する必要から、こうしたたまごの誤った認識をもたらしました。 これはこれで時代のニーズだったのしょう。

しかし、ホンモノが叫ばれ、スローフードが唱えられる昨今、たまごも本来のスガタを見つめ直す必要があるのではないでしょうか・・・・・・?


あるお客様からのメールをご紹介させていただきます。
件名:高橋たまごファンです
何時もお店迄買いに行ってたのですが今回初めてインターネットで注文してみた高橋卵ファンの一人です。先日New Yorkから親戚が来たのですが色々な料理よりも高橋卵の卵かけご飯を一番喜んで食べていました。それでもっと美味しいこだわり卵があるのではないかと先日インターネットで探し注文して食してみましたが高橋卵の美味しさをあらためて感じずにはいられませんでした。もう浮気はしないつもりです。知人に差し上げると皆さん大変喜んでくれます。高橋さんどうかこれからも美味しい卵をよろしくお願い致します。

 便-No.044(2004年8月1日号)


写真:
真夏の街路樹
   農場近傍にて
   7月20日 PM2:00

 スローフード

 数年前、本稿でスローフードをご紹介いたしました。
本来の趣旨とはやや違った方向のも中にはあるよーですが、日本でも次第に広がりつつあるよーです。

 イタリアの小さな田舎町に、あの、マクドナルドが進出し、それに対して消費者の反対運動がきっかけだったとか。 大量生産方式を 標準 として、それ以外のものを排斥しようとする、最近の風潮に対してのアンチテーゼといえましょう。


 鳥インフルエンザ事件以来、ワガ業界は、この、標準化 の方向にまっしぐら??  国では、“手っ取り早い”インフルエンザ防御法として、あの、ウインドウレス鶏舎に補助金を出すとか。  食文化の国、イタリアの消費者が拒否したあの、マクドナルド方式=大量生産方式 を日本では国が 標準化 として推奨するそうです。  

 日本食文化の危機!!  そんな中、冒頭のようにイタリアと同様なスローフード運動が、日本でも静かな広がりを見せているよーです。  “たまご職人”の私としては、ぜひ多くの皆さまに関心をよせていただきたいと存じます。

http://www.fukushima-minpo.co.jp/news/kennai/20040601/ronsetu.html

 便-No.043(2004年5月6日号)


写真:
いつでも、《大地の恵み》《自然の恵み》をたっぷりと。
   たかたま鶏舎にて。 5月 5日 AM9:00

 放し飼いは必要・・・??

先ごろ、当BBSに放し飼い(平飼い)についてのご意見をいただきました。
あらためて、私なりに考えをまとめてみました。

 “すべての食材は大地から”
 “すべての食材は生命体”
ある一流料理人の言葉です。
彼は、すべての食材はとりあえず口に入れてみて、時には土までも口に含んでみるそーです。

たまご、即ち鶏もまったく同様です。
限りない大地の栄養を限りなく採り入れて、健康な鶏=健康なたまご→おいしいたまごになります。  その意味で、こーした大地の栄養を限りなく採り入れられるような、理想的な放し飼いは大変有意義なことと考えます。


 しかしながら、現実の放し飼いをみると理想とはほど遠いモノに思えてなりません。同じ場所に、幾年もの間続けて、多数の鶏を飼養しているのが現実です。  これでは、最初の一年間位はヨシとしても、いずれ、《大地の栄養を採り入れる》という目的にたいして、意味のないモノとなりましょう。

   放し飼いの鶏を細かく観察していると、
   幾度も幾度も、足で土を掘り返し、必要なエサ・栄養を探している
   様子が見られます。  
   すぐに見つかればよろこんでついばみ、見つからないとイライラす
   るよーに、繰り返し繰り返し、土の中を掘り返し、目的の栄養物を
   探します。 
   (ついばんでいるのは、ただ土を食べているのではありません。)
   幾年も幾年も、同じ場所でこうしたことを繰り返すことで、必要な
   大地の栄養は少なくなって、→ 無くなってしまいます。
   
   こうした大地の栄養を補うため、緑餌(青菜等)を与えるのが一般
   的ではありますが、そして、そうした青菜をついばみ、のびのびと
   遊んでいる様子、、ジツにのどかで健康的、、、ではありますが、
         《たまごのおいしさ》 
   という部分では、青菜だけではまだまだ栄養は足りないと思われます。

 ・・・というのも、、、
私はいままで、北海道から九州まで、十数カ所の全国の放し飼い鶏のたまごを、ネットで、デパートの地方物産展で、有名食材店で、購入しました。
最高価格は一個300円。 (烏骨鶏ではありません。)

それぞれの方が、それぞれの工夫をされ、鶏に対するきめ細やかな愛情、思い入れで仕事をされ、立派な経営をされておられるようで、頭の下がる思いでした。

それはそれで立派で、よろしいのですが・・・・・
私の価値観は、TVグルメ番組によくあるよーな、“黄身がつまめる”、“楊枝が何本ささる”とかの、見かけのことだけではなく、
       《食品としてのたまごのおいしさ》
と言う尺度で考えることです。  そうした見方をしたときに、前述の、全国の放し飼い鶏のたまごで、納得できるものは一つもありませんでした。

それは、とりもなおさず、こーした“放し飼い”でも、《おいしさ》のための、大地からの栄養が十分ではないことを意味していると考えます。。


 不遜な言い方で恐縮ですが、放し飼いではないけれど可能なかぎり
      《大地の恵み》、《自然の恵み》
にこだわった、私のとこのたまごが最もおいしかった、というのが、私だけの思いではなく、知人など、幾人かの人に試していただいた、共通の認識でした。

このことは、《おいしいたまご》のために、それは、《放し飼いの管理》《運動》ではなく、本来土に含まれている栄養分をなるべくたくさん与えること、を意味しましょう。  コンピューターで計算する、経済効率最優先の栄養計算だけでは決しておいしいたまごにはならないと考えます。

こうした体験のなかから、

  放し飼いは『たまごのおいしさ』の必要条件ではありません。

というのが、私なり結論です。

 便-No.042(2004年3月8日号)


写真:
春の日射し
   たかたま農場にて
   3月7日 PM1:30

  浅田某事件とスーパーのたまご

以前、“農場から24時間以内に食卓へ”などというキャッチコピーがあったころ、すなわち、たまごが余剰状態ではなかったころ、HACCPなどとゆー言葉などありませんでしたが、品質の悪いという意味で の《スーパーのたまご》などとゆー言葉もありませんでした。

それが、現在のよーな慢性的たまご過剰状態になり、《スーパーのたまご》が品質の悪いとゆー意味で使われるよーになってから、HACCP等の過度なまでの衛生管理がおこなわるよーになりました。

そして、こーした、高度衛生管理にもかかわらず、《スーパーのたまご》はますますその意味合いを深めてきました。

   このことは、いくら高度な衛生管理をやっても、自然の摂理には
   及ばないということを如実に表しておりましょう。

換言すれば、大量生産大量消費のシステムの中で、あらゆる階層の消費者ニーズに対応するために、本来の自然の摂理に反することを行うことで、ますます、たまごの品質が低下してきたということに他なりません。

《価格よりもこだわり、おいしさ》と《とにかく価格・スーパーのたまご》という消費者ニーズの多様化、というより二分化、どちらが正 しいというものではありませんが、やはり後者がmajor。  そして、その元はといえば、やはり供給過剰。



今回の事件、浅田某のよーに、(鳥インフルエンザウィルスに取り付かれたことは気の毒であり同情なのでありますが、事後の処理については、)無責任きわまりない人間が、自分の事業欲だけのため(*)に大羽数の鶏を飼っていた。  それが可能だった、この業界。

 こんなウワサも:
 http://biz.nifty.com/news/nk/page.jsp?file=20040303_5&no=5

 http://www.yomiuri.co.jp/main/news/20040307i101.htm

社会的常識、能力のない者が、外的支援のもとに規模だけが大きくなっていった、そして、規模が大きいということだけで業界幹部として君臨出来る‥‥、、そんな彼が、日本養鶏協会幹部だったことは、この業界の、羽数・規模崇拝(?)の体質を見事に物語っています。

それは、たまご便りNo.38〜41で述べたことの、まさに実例といえましょう。 そしてこうした同類は彼だけではなく、業界にまだまだいるものと考えます。

鳥インフルエンザを機に、こーした業者の一人があぶり出された結果と言えましょう。 しかし、 今後、これを契機に、さらにあぶりだされて、こーした業者がなくなるということは期待できないでしょう。

   こーゆー状況の中では、前述《スーパーのたまご》のたまごは
   今後とも続くものと思われます。

やはり、消費者のみなさまは、外見、示された表示だけに頼ることなく、ご自身の“五感”で、販売店、商品を見極める、という感覚が必要となりましょう。



 (*)養鶏現場の人間でないと判りにくいかと思いますが、TVで見る限り
    浅田農産船井農場:とても生き物を飼養する環境と思えません。

     少しでも多数の鶏を飼う(大規模志向)のために(?)間隔を空
     けず、敷地いっぱいに鶏舎を建てて、保温のためカーテンで囲い、
     内部は目一杯の四段重ね(過密飼い)、新鮮空気を導入する換気
     扇はナシ。…中をかき回すファンはあるよーですが。… 上部に
     わずかに換気部分(モニター)があるのですが、この程度では、
     完璧に換気不足。

      処理作業に入った作業員の声:   
       「空気は生ぬるく、湿気のせいかゴーグルがすぐに水滴で
         ベトベトになった。
           ‥‥中略‥‥
        1回、1時間半の作業が限度」・・・・・
                       (京都新聞)

     これは、換気の悪さをよく言い表わしています。
     私がよく例に出す、ウィンドウレス鶏舎よりさらに環境が悪か
     ったと思われます。
       (ウィンドウレス鶏舎は換気を行っている。)    

     そのため、、当該病を含め、呼吸器病に非常に罹りやすかったの
     ではないかと思われます。
     他の病気はワクチンで抑えられています(?)が、今回ワクチン
     のない鳥インフルエンザが罹患したのも当然だったのでしょう。
      
     このよーな環境では、普段の成績も推して知るべし。。。
     昨今の経営環境を考えると今回の“責任とって”の船井農場閉鎖
     も彼にとっては好都合、・・・シメシメ。といったところでは‥‥
     ……??? ???  ???

    とはゆーものの、やはりこのウィルスは怖いモノ。 
     たかたまでは、防鳥網、消毒に加えさらに鶏の体力強化…エサに
    “ラー油”を添加。

   《“ラー油”を添加。》…笑われてしまいますかねぇ〜‥‥。

                   高橋尚之

追伸:
それにしても、幹部がこれだけの不祥事・消費者のたまご鶏肉不信・業界不信を引き起こしたにもかかわらず、日頃、“真面目な生産者”を標榜している業界組織:日本養鶏協会は、当該者を解任しただけで、なんのメッセージも出していません。  フツーの社会では、部下、組織の一員が不始末をしでかしたときは、トップが、顧客・関係者にすみやかに謝罪するもんなんですが。

小林一博先生から教わった言葉;
   “業界の常識”は“世間の非常識”

“浅田某のやったこと”は、“養鶏業界の常識”だったんですかねぇ……  
  …… ???

これでは、たまご鶏肉の信頼回復もままならないでしょうねぇぇ〜〜〜
         ┐( ̄ヘ ̄)┌

 便-No.041(2004年2月1日号)


写真:
春の息吹・野梅
   1月21日 AM10:30 農場近傍にて

  物価の優等生のワケ(4)山城事件・インフルエンザ

やはり起きました、城陽半年前たまご事件。
(しかし、半年というのは、想像以上に悪質でして。)

奇しくも、本稿前回までの記述は、こーしたことが起こる下地があったことを表していたようです。
しかし、最近の様子は、業界模様として、これまで記述した様子とはかなり違ったパターンのようです。

今までは、小規模から大規模養鶏まで、それぞれが拡大志向を持って、それぞれが、チマチマと(??)増羽してき ました。 その結果すでにたまご過剰状態。

そして、その過剰状態の上にさらに、百万羽規模の超大型クラスがドドド〜〜ンと数カ所新規に出来て、強力な精鋭 営業部隊が売り込みをかけ、過去の取引関係をドンドン覆し、それまで取引のあった養鶏場が次々と退敗していく、といったのが最近の様子。

  噂によれば、『二年間契約すれば、最初の三ヶ月は無料で納入する』
  などとゆーものすごい売込みハナシもあるそーな。
  
そんな中、はじき飛ばされる養鶏場が出るのも当然。 はじき飛ばされたトコロはたいへんです。

鶏は毎日たまごを生みます。 → 出荷先はありません。

とゆーことで、倉庫には、日々在庫(滞貨)の山。。。
‥‥‥とゆーパターンで、いままでとは違い、一気に滞貨が増えていくのが最近の特徴らしいです。  多くが縮小 、中には廃業に追い込まれた農場もあるとか・・・。

  たかたまでも滞貨になりそーになると、羽数を減らします。

また、そーした渦中にない養鶏場であっても、たまごの生産量は毎日ほとんど同じ、そして、消費量(販売量)は日々異なります。 そんな中、『丁度よく毎日毎日全部売り切る』などとゆーのは、至難のワザ。 

特に大手業者さんほど、ある程度の在庫はやむを得ないことかもしれません。
しかし、いくらナンでも、六ヶ月はいけません。

    最大限、余らないよーに、 (←販売量以上の規模にしない。)
    そして余ったときどうするかが
    お客さまからの信頼のキメテとなりましょう。        
      余った古いものから先に売りサバク…
      みたいなことをやっていたらすぐに
      信頼を失うこととなります。。

   いまのよーな、大量余剰生産が続く限り、以前によくみられた、
   産卵から24時間以内に食卓へ、などということはまるで夢物語
   のようです。


こーしたモンダイが起きる背景として、
生産者と消費者が互いに顔が見えない今の流通システムがモンダイ、、との指摘もあるよーですが、いまのよーな、大量生産大量消費の市況では、『顔が見える』ことを求めるなどとゆーのはまるで絵空事。 不可能でしょう。 

『ココロザシ』をもって、お客さまを欺こうとする輩には、どのような優れたシステムも機能しません。 最終的には 人 への依存に帰結します。

顔が見えないからこそ、生産者側の商品に対しての責任が重要と考えます。

今回の業者は、その責任を軽んじていたよーです。

これまで、HACCP、トレーサビリティは不要、、などと大手業者さん批判めいたことを述べてきましたが、大量生産大量消費を担う大手さんには、やはりそれなりの方法も必要でしょう。  
こーした大手さんの方法は、『たまごの自然の摂理に反している』のではありますが、大量流通、すなわち『あらゆる階層の消費者ニーズ』に対応するにはやむを得ないこととも考えます。 
それはそれで一つの方向。 ←majority

そしてまた、おいしさ・鮮度・こだわり等、たまご本来のあるべき姿を追求する方向、そーした消費者ニーズもありましょう。 ←minority

いずれにしても、それぞれの立場で、それぞれお客様の信頼を裏切ってはならないはずです。

今回の山城半年前たまご事件は、流通システムのモンダイ、、より以前に、生産者それぞれの立場での責任のあり方に猛省を求めらたもののよーです。


      半年が発覚して事件になりました。
      一ヶ月二ヶ月はアタリマエ・・・・・・
      なぁ〜んてゆーことはありませんよねぇ〜〜・・・!?
      マサカ・・・???


鶏インフルエンザ:
感染経路がいろいろとりざたされ、細菌学的に撲滅すべく、関係機関が全力て取り組んでおります。 こーした、現地、現場の方々、関係各方面のご努力に頭の下がる思いです。

しかしながら、それはそれとして、
『大量生産の結果による物価の優等生』majorityも、少し視点を変えると、サイト内で常々述べているよーに、自然を無視し、経済効率最優先の業界のやり方に対する、

     『自然からの警告』

のように思えてなりません。  たかはしたまご便り No.035でも述べたよーに、次々と出現する新しい鶏病に対し、現場の先進的獣医さんたちも

     『人がもたらした病気』

として、現代の養鶏に警鐘を鳴らしています。
(鶏)インフルエンザのワクチン開発も始まったそーですが。。。


   今回は “やむを得ない状況” ではありますが、
   生きた鶏をそのまま袋詰めする様子などを見るにつけ、
   さらには、BSE、SARS問題なども含めて、、、
   『自然への感謝』を忘れた傲慢なニンゲンへの、

        『自然の逆襲』

   などと捉えるのは、私だけでしょうか・・・!?


     イキものの基本‥‥‥『自然の恵み』

 たかたまでは、あらゆることにお客さまの安全が優先します。

 便-No.040(2003年11月6日号)


写真:
落ち葉 
   11月5日 AM7:20 たかたま農場にて

   物価の優等生のワケ・養鶏業界(3)

 施設の進歩等による養鶏大型化は当然のことながら、生産量増加→相場:利益の低下をもたらします。  すると、一羽当たりの利益は減っても、数が多ければ儲かる、とゆーことでさらなる増羽(これもエサ屋さんの“協力”により簡単に可能)。‥‥→さらに相場:利益低下。。。 こうしたことを繰り返しドンドン生産量が増えてゆきました。 

 たまご需要>生産量の間は、すべてが良好に成り立っておりました。 ところが、当然のことながら、ある時点で、必要としている量以上のたまごが市場に出回ることになります。  当然のことながら、相場が極端に下がり、コストを割ることになります。

 フツーの業界では、新聞等でも時折、“○○社、生産計画を下方修正”、、、といった記事が見受けられるように、常に販売予測し、自社の責任において,
生産量をコントロール、量的に販売不可能な事態が予想される場合、当該会社は、生産を縮小しています。  
 
 ところが、養鶏業界においては、こーした“自己規制”(*)はまったくありませんでした。 それは、
  『強い者が勝つ。弱い者:低相場でヤッテゆけない者はヤメていく。』
  『そーすれば自分だけは勝ち残る。               』
といった思いもさることながら、

   本稿No.1  http://www.takatama.com/Tayori02.html#038
     No.2  http://www.takatama.com/Tayori02.html#039

のよーに、販売に苦労することなく、というより、販売力が無いながら、飼料業界に勧められる(資金的支援=借金を受ける)まま、安易に規模の拡大・増産が出来てしまったことに起因するよーに思えてなりません。 換言すれば、販売を他社に(飼料業者)任せきりにして、規模の大きなコトが『強い者』と考えていたことが、こーした他業界のよーな、自己責任による“自己規制”が出来なかった原因のように思います。  

  もっとも、No.1 にあるよーに、日本の貿易構造上、とうもろこし
  輸入を増加させなければならない(?)飼料業界=貿易商社側の思
  惑が、見え隠れしてならないのですが。
      (アメリカの穀物戦略??)

 もちろん、規模の大小にかかわらず、自ら販売も手がけ、《真のチカラ》のある業者も多々おられますが、低相場が続き、経営状況が深刻になるたびに、業界紙などで、
  『経営状態のよくない養鶏場はエサ屋にキられる』
といった趣旨の記事が、必ずのよーに見受けられる状況は、やはり養鶏業界・飼料業界の、こーした、負の関係を如実に物語っておりましょう。 そして、こーした養鶏場でも実際は、鶏がいなくなった、とゆーハナシはほとんど聞いたことが無く、なんらかのカタチでたまごの生産は続いているのが実体のよーです。  また、ナマエは変わらずとも、経営実態は飼料会社・商社に移ってしまっている農場も少なくないよーです。

   また、こうした無軌道な生産量増加が、結果として“物価の優等生”
  として価格低位安定に寄与している側面のあることも事実です。 
  しかしこの点についてはこれまで幾度も述べましたよーに、あまりに
  度が過ぎて、さまざまな歪みがでてしまっていることも見逃せません。

   この“物価の優等生”を『業界あげての経営努力のたまもの』のよう
  に賛美のコトバで語られる場合もあるよーですが、そしてその言葉の全
  てを否定するわけではありませんが、少し視点がちがうよーに思います。

  ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

 初期の混乱を乗り越えて、現在残っているところは立派な経営をされておられることでしょうが、本来ならば、生産過剰→価格低下→生産が減少→価格回復、となるハズが、現実はさらに生産が増加する勢いなのが、この業界。 やはり“悪しき遺伝子”は残存しているよーです。 また、うがった見方かもしれませんが、、、やはり、好むと好まざるとにかかわらず、アメリカの穀物戦略に取り込まれ、鶏(家畜)を減らせない(飼料=とうもろこしの輸入を減らせない)ということなのかもしれません。
     (お釈迦様の手の中の孫悟空???)

 軍事はもとより、石油、農業でも世界を制するアメリカ・・・・ 結局、対日穀物戦略に“踊らされている日本”ということなのでしょうか‥‥?? 

     かつて、故周恩来中国首相が、日本の政治家に
       《農業を粗末にする国は滅びる。農業を大切に。》
     と、語ったそうですが。

 こうして、“飽食の時代”、たまご消費量飽和状態→日本のとうもろこし消費量が飽和状態になった今、アメリカの、“次の戦略”は中国に向いているそうです。

 (*)自主規制:
    当初から、たまご過剰を危惧し、
    行政を通じての“生産調整”もあったのですが、そしてある程度
    効果があったよーにも思えますが、常に“ヤミ増羽”がとりさだ
    され、というより、“横行”し、必ずしも十分に機能したとはい
    えない状態でした。 

     “生産調整”とはいっても、たまご需要量>生産量、まだまだ
    需要も伸び、生産量も伸びる、といったさなか、エサはエサ屋さ
    んが、“買ってください”アタマを下げて売り込みに来て、たま
    ごもエサ屋さんが、アタマを下げて引き取っていく・・・・とい
    うことで、鶏やさんは、仕入れ、販売どちらにもアタマを下げる
    必要がなく、常に、双方にイバッテ(?)商売が出来たのでした。 
    こーした状況で、各種“安定基金”とかの、中途半端な補助金
    制度ともあいまって、生産調整”といわれても、なかなかウマク
    いかないのも道理だったのかもしれません。

                     以下次号。

追記:
       http://www.takatama.com/Tayori02.html#033
       http://www.takatama.com/Tayori02.html#037
 最近:今年後半はさらに状況が変わり、全体の相場が下がるのではなく、売れる部分はそれなりの価格、余剰部分はタダ同然、、いや、タダ以下:経費をかけて“処分”するという『二重、三重価格』(卸相場)の状態だったよーです。 だから、実際の小売の店頭ではそれほど極端な安値は少なかったよーです。
“処分”組を使った“超めだま”は相変わらずのよーですが。

 そして9月以降、さすがに各養鶏場、廃業するところ(★)が出たり、予定より早くの老鶏淘汰が活発だったりで、市況はいくらか好転したそーですが、それでも、大幅余剰の状況には変わりありません。
   (★)『負債を清算して廃業できるところは優良経営』
      などという、“笑えない真実”もあるよーで。

 便-No.039(2003年10月3日号)


写真:
秋なすは、よ‥‥ ??
    黒岩農園にて。10月3日 AM7:00

   物価の優等生のワケ・養鶏業界(2)

  ・養鶏は儲かる。
  ・回収リスク極めて小。 
  ・土地価格(=担保価値)右肩あがり。
こうした状況のなか、エサ業界(輸入商社)は養鶏農家に対し、こぞって、そして強力に & 巧妙に、規模拡大を勧めるようになりました。  曰く、

   ・資金の心配は無用。(エサ屋さんが無条件全額貸し付け)(*)
   ・販売の心配も無用。(エサ屋さんが卵は全量引き取る。)(*)
   ・管理の心配も無用。(エサ屋さんが完全な技術? 指導)(*)

 こうして、多くの養鶏場が、都市部から郊外(地価が安い)へ移転、そして“何の苦もなく”、現有の数倍〜数十倍規模となっていきました。 経済性最優先、《鶏のイノチ》としての環境を無視して、こうした大型化を支える技術・ウインドウレス鶏舎をはじめとしたさまざまな器材が開発され、おりしも高度成長期 & たまご消費量の増大期、そうした規模拡大が当然のように受け入れられました。  

  しかしそれは、養鶏業界内部だけの視点でみれば、あたかも昨今の
  金融バブル→そして崩壊‥‥に極めて似ているように思えてなりません。

こうして、たまごはたまご、みな同じ、ということで、質(=おいしさ)への配慮はほとんど成されず、ただ、ただ量の拡大にのみに走ったのでした。  たまごの“質=おいしさ”が顧みられない、ということは、当然のこと、“おいしいたまごのためのエサ”という配慮もまったくなされず、ただ量のメリットによる“安いエサ”の追求となり、エサを安く買う(規模が大きい)ことが、ある種のステータスとさえ考えている養鶏経営者もいるよーでした。 
   (今でも・・・??)

 エサメーカーの方も養鶏場の“安いエサ志向”に応えるべく、懸命に安いエサの研究に奔走しました。 それは、あたかも、“おいしさの素”の排除の研究のようにも、私には思えます。

  いくら安くても、たまごを生まなくなってはいけません。
  “たまごを生ませる”というコトだけは確保し、なるべくコストを
  下げる、、それは生むための要素以外のもの =おいしさの素!!
  を出来る限り排除する、ということに他なりません。
    こうした、コスト削減=生むための要素以外出来る限り排除
    といったことが卵アルルギーの問題を引き起こしているよー
    に思えてなりません。 実際のところ、たかたまに限らず、
    “こだわり”を標榜する、エサの無理なコスト低減をしない
    たまごは、アレルギー問題が起きない場合が多いよーです。  

  また鶏の健康面でも、、、健康のためのエサ、というより、価格は
  可能な限り低廉に、そして病気に“ならないこと”を重視し、『ク
  リーニング』と称して、抗生物質を多用することが、業界の常識の
  ような時期もありました。 
      《今ではこのようなことはあり得ませんが。》
      《   (サイト内参照)        》


 高度成長期、こうした、大量生産化による質の低廉化はたまごの世界に限ったことでは無い(小林一博先生談)のでしょう。 しかし(*)のよーなことで、鶏の生理機能を無視し、経済合理性最優先を錦の御旗に、安易に規模拡張、増産が出来たことが、かえってその後の展開を複雑なものにしたのでは、と私には思えてなりません。

         以下次号

 便-No.038(2003年9月6日号)


写真:
残暑!! & 秋だなぁ〜
   農場近傍にて。
   9月5日AM7:00

   物価の優等生のワケ・養鶏業界(1)

 本稿前号に、たまごが産業廃棄物として捨てられる事態となったことを記しました。 その後も事態はさらに悪化し、廃業に追い込まれた養鶏業者も出はじめたようです。  原因は、、、簡単です。  たまご即ち鶏が多すぎるから。 しかし、これらのことは成るべくしてなり、また人口過密な都市の需要を支えるにはやむを得ないことのようでもあります。

 そのへんのところ、『たまご:優等生のナゾ・安価の代償』と題して本稿No.035にも記しましたが、少し別の角度から、業界の推移、ウラ話などを、私見として、今後数回に分けて述べてみようと思います。

  ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

 昔、昭和30年代ころ、養鶏はたいへん儲かる仕事だった、、そうです。 

  1)養鶏農家:
    それなりの規模で営業していて、儲かってくると、さらに業態を
    大きくしてさらに儲けを大きくしよう、と考えるのはゴク普通の
    ことでしょう。

 そうした状態の中、所得倍増計画、列島改造、いわゆる高度成長時代に突入します。 養鶏業界も例外ではありませんでした。 しかしそれは今思えば、他産業の高度成長の《いけにえ》といえなくもないようにも思います。 他産業の製品輸出の見返りとして、農産物・飼料用トウモロコシの輸入をしなければなりませんでした。 例えば某自動車メーカーでは車を輸出した船で帰りにとうもろこしを輸入するための専用船を持っていたと聞き及んでおります。

  2)貿易商社(*):
    車を輸出するためにトウモロコシを輸入、、、しなければならない。
    そして、そうして輸入したトウモロコシを消化しなければならない。

そしてこれはまた、アメリカの穀物輸出=日本人の肉食化政策とも利害が一致するものでした。  

 というわけで、養鶏農家、貿易商社(と結びついたエサ屋)両者の思惑が一致してきました。  また養鶏業界の風習として、というより養鶏場では自らの販売力はほとんど無いのが実体で、エサ屋さんがたまごを引き取る、即ちエサ屋さんは たまご代-エサ代 の差額だけを養鶏場に支払えば良い、という取引形態がほとんどでした。 

 冒頭にも述べましたが、儲かっていた(たまご代>エサ代+その他費用)ので、これでも十分にやっていけたのでした。 しかしこのことはまた、エサ屋さんにしてみれば、たまご代(相場)がかなり下がり、養鶏場の経営が苦しくなっても、たまごでエサ代が自然と回収出来ていることを意味します。 このことが現在の、ある意味で悲劇??(やむを得ない当然の帰結)の原点といえましょうか。 

     (*)大手商社のほとんどは飼料メーカーを系列に持っている。
        つまり、ここでは商社=エサ屋の同意語として使う。

           以下次号。

 便-No.037(2003年7月2日号)


写真:
明日、、旅たちます。
   第二の人生…いえ、鶏生。。。
    “不安だなぁぁ‥‥ ”

たかたま鶏舎にて。 7月9日 PM1:30

サイト開設3周年
 毎度繰り返しになりますが、ただ売るためだけではなく、私の考え方、信念をお伝えしたくて開設した当サイト、はや、3周年を迎えることとなりました。

 販売を目的としたサイトに慣れている方には、そーとーに違和感を覚えたことと思われます。 お叱りのお言葉も幾多いただきました。 しかしそれ以上の励ましのお言葉もいただきました。 サイト開設の目的が少しづつご理解いただけていることと、うれしく思うところです。

 今後ともmajorityが目標ではなく、たかはしたまごの考え方にご理解をいただけるかただけ・ピンポイントを対象にこのサイトを運営していく所存です。
   売上げ的には多くを望めませんが・・・


 その、majorityたまごマケットが、今、たいへんなことになっています。
   http://www.takatama.com/Tayori02.html#033
で述べた100万羽養鶏場が稼動し始めました。 その結果、従来の養鶏場が、玉突き現象的に、市場から排除されつつあるよーです。 現実に、昨日まで取引のあったルートが突然とざされ、生産されたたまごの行き場がなくなり、産業廃棄物として、産廃業者が処分した、とゆーハナシが現実となったよーです。  その他、某地方から東京市場に持ち込んで、運賃だけ(養鶏業者手取り0、あるいはマイナス)とか・・・。

 こーした現象、近視的には消費者あるいは流通業者のためになるのは事実ですが、本当のところはどーなんでしょうか!!?????

        さりげない1パックのたまごに秘められる
          壮絶・華麗なる生き残りドラマ。
            食の未来が心配です。

 便-No.036(2003年6月2日号)


写真:
かぼちゃ 黒岩農園にて。
   6月2日 AM6:00

 フィトンチッド & 無農薬農業
 たかたまのお客さまで数年前会社を退職して農業を始めた方がおられます。
当初は病害虫に悩まされましたが、とうとう今年、《完全無農薬》にすることが出来たそうです。  やったことは、とにかく《土づくり》。 たかたま鶏フンを落葉と混ぜ込み、1年間発酵堆積。 その他たかたま飼料原料を幾種類もお持ちになり、畑にスキ込みました。 毎年、毎年。。。。  その結果、隣接の専業野菜農家の畑をしり目に、元気スクスク。 くだんの農家もビックリ。  長いこと(農業を)やってたんですか?? と訊ねられたそーです。


 動物は、ある時は闘い、ある時は逃げ、移動して自らを守ります。  ところが地下に根を張っている植物は、そーはいきません。  その代わり、植物には自らを守るため、フェロモン:フィトンチッド、を発しているそーです。 この自らの身を守るフィトンチッドは、強力な殺菌・消臭・害虫忌避作用があり、十分に発散されていれば、細菌、病害虫は容易に植物に近づきにくいそうです。  また、人間に対しても、生命活性を高める優れた効果があるそうです。  
   (森林浴効果)


 冒頭の、新米無農薬農家さんの結果は、このフェロモン説を見事に実証されています。 丹念な土づくり:植物に必要な十分な栄養そしてもちろん日光。 これが、効を奏し、植物に活力がみなぎり、豊富なフェロモン:フィトンチッドを発散し、殺菌され、病害虫が来なくなった・・・  と私は考えています。   換言すれば、農薬を必要としている、とゆーことはそれだけ、フェロモン:フィトンチッドがない→活力が無い→栄養が不十分、とゆーことになるのでしょう。

   ジツは鶏も全く同様なことがいえます。 元気な鶏には、
   外部寄生虫(いわゆるノミ)はほとんど寄ってきません。
   外部寄生虫にヤラれるのは、ほとんどが体力の弱った鶏
   ばかりです。

 自然:動物も植物も、《いのち》ということではみな同じ。  経済効率ばかりではなく、《いのち》に必要な栄養・日光がたっぷりあれば、必ず、自然は応えてくれる。
そんな 《想い》 をめぐらせた、新米農家さんとのおつき合い。。。。。

  とはゆーものの、やはり畑全域を完全土壌とし、完全無殺菌無農薬と
  するのは、こうした努力が農産物価格に反映されない今の世の中では
  不可能に近いでしょう。
  養鶏を含めて、こうした、努力した農家がヤッていけるよーな世論に
  なることをセツに望むものです。


 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

 最近、ある会社が、20年の期間を要し、このフィトンチッドを応用した、完全無害強力な殺菌・消臭・害虫忌避剤を開発し、一部農家が試用を始めました。 費用も従来の殺虫剤の半額。 私どもの直売店舗に野菜を置いている農家、黒岩さんにこのハナシをしたところ、そうなんだ、そーゆーのが欲しかったんだ、第一、消毒するのにマスクがいらない。。。。  とのこと。
会社はコノ忌避剤を商売ベースに乗せるべく、農協に持ち込んだそーです。  そしたら農協側曰く、 『こんなモン売ったら殺虫剤が売れなくなり、農協が儲からん。 農家には従来の農薬を売って儲けないとダメだ。』、、とか。

    “土づくり”を提唱(??)し、
    日本の農家の総帥とも言える農協が、このありさま。
    日本の農業の将来は・・・・・?????
    
 《消費者のみなさまの 《声》 が一番のチカラ》 のよーに思います。


今月中旬より、ワガたかたま直売処でも、このフィトンチッド応用殺菌・消臭機器の試用を始めます。  大変応用範囲がひろく、入浴剤、ペット防臭、その他一般家庭、車、冷蔵庫 etc etc だそーですが。。。  
          (とりあえず、入浴剤は効果バッチシ。)


 フィトンチッド:フィトン(植物)がチッド(自衛のため他を殺す)の意。
         森林浴でキモチがいいのは、このフィトンチッドのため
         と言われています。

 便-No.035(2003年5月1日号)


写真:
若葉=自然の恵み たかたま農場の近傍で
   4月29日 PM1:30

 たまご:優等生のナゾ・安価の代償
 “物価の優等生”の言葉どーり安価な食品として、たまごは消費者のみなさまに支持されてきました。  あらゆるモノが値上がりする中、たまごだけが優等生でいられることを、みなさまはどのよーにお考えでしょうか??

 ひと言でいえば養鶏家の経営努力のたまものといえましょう。
懸命な経費削減、経済効率追求、それらを可能しにた施設、器材の進歩。

 しかしながら・・・、それは・・・・・、  ・・・・・・・・
そーした経済効率最優先のあまり、鶏がイキモノであることを忘れて、あたかも機械であるかのよーに考えた進歩、の結果でもありました。  経済効率のみを考えて、鶏を限られた場所になるべく多くツメ込んで飼うよーになりました。 当然、鶏が不健康になり病気が発生しやすくなりました。 そしてワクチンが発達してその病気が抑えられるよーになりました。 すると、あたかもその病気が克服されたかのよーに、イキモノであることを忘れて(?)、さらに多くの鶏をツメ込むよーになり、さらに新たな病気が発生、そして新たなワクチン(*)。

   抗生物質等薬剤はきびしい規制、流通・消費者側の監視等で
   ほとんど使用されていません。             

 こーして、鶏のツメ込みすぎ=養鶏場大型化=劣悪環境とゆーことを顧みず、ワクチンに頼り切り、、、経済合理性最優先でこれまでやってきました。 結果として、このよーに、現在の安価なたまごは、ワクチンによって支えられた、鶏にとって、きわめて劣悪な住環境のもとに成り立っているといっても過言ではないでしょう。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 農業では、《健康で豊かな実り》をはぐくむには、化学肥料だけではない、手間はかかっても十分な有機肥料と、しっかりとした《土づくり》が重要なことは論を待たないでしょう。 まったく同様に、たまごという《健康で豊かな実り》を得るためには、経済合理性のみを追求した飼養方法ではなく、十分な栄養と、しっかりとした《健康な鶏》が必要です。 

 しかしながら、現状をみると、、一方で、本稿前号のよーに、生まれてきた“実り=たまご”だけを、HACCPと称して、過度なまでの衛生管理をし、“このたまごは安全、衛生的”と消費者に向けてアッピールしながら、、、他方で、《健康で豊かな実り》の基本であるはずの鶏を、前述のよーな、劣悪な住環境においています。 オカミ(農林水産省)ですらこーしたことを推奨しています。なんか、本末転倒、 いえいえ、もっというならば、消費者に対しての背信行為とすら、私には思えてなりません。  
  大規模農場では、“実り”である、HACCP管理のたまご処理過程を
  見せてはもらえても、“実り”の基である、鶏の住環境まで見せて
  もらえる養鶏場は、ほとんどありません。
     (とても見せられない!!??)


   《人の健康》に関する話題が、いろいろなメディアで
   取り上げられる昨今ですが、《鶏の健康》にも十分な

   ★新鮮な空気、栄養、& 太陽光等、《自然の恵み》★   

   が重要です。ツメ込みすぎ:経済合理性最優先では
   《健康:ホンモノ》にはなり得ません。


  現在のよーな多様化したニーズ、そしてデフレの時代、“安価”
  というのも重要な要件である、、とは思うのですが。。。。。   


 と、ゆーわけで、こーしたツメ込みすぎ大型養鶏へのアンチテーゼとして、放し飼い養鶏が各地で実践されていますが、これについては
    たかはしたまご便り No.032、No.033
をご覧ください。


(*)しかしながら、最近では、こーしたワクチンも効かなくなる病気(#)
   も出始めたそーです。そして鶏病研究者は『21世紀型の新しい鶏病』
   として研究をはじめたそーです。  しかしこーした傾向を、先進的
   獣医師たちは『人がつくった病気』として現在の養鶏産業に警鐘を鳴
   らしています。
(#)七面鳥鼻気管炎=鶏にも飛び火、さらには、未だ日本に入ってきて
   はいませんが、鶏インフルエンザなどという鶏病もあるそーです。

 便-No.034(2003年4月2日号)


写真:
埼玉県養鶏試験場跡地
   日高の、桜の名所になりました。
   4月1日 AM7:20

 たまご:自然の摂理

 鶏は当然のごとく、人間に食べてもらうためにたまごを産むのではありません。  自らの子孫を残すべく、たまごを産み、孵化させます。  そのために鶏は自らの体温で3週間温めます。 約40度3週間。 この間、腐ったり、細菌が混入したりしないよーに、自然のカタチのバリアがたまごには付いています。 生まれた直後のたまごは、すぐに乾いてしまいますが、ややネバネバしていて光沢があります。

  http://www.takatama.com/Konnatoko05.html

このネバネバこそが、自然のバリアであり、約40度3週間たまごが傷まないよーに保護しています。

 ところが、市場のたまごは、この、せっかく付いてる自然のバリアをお湯、洗剤、ブラシで洗い落としてしまっています。  こーした、洗ったたまごは後で、紫外線殺菌等をしたとしても、殺菌直後は無菌になりますが、バリアが無いので、ジツは、たいへん細菌が入りやすい状態なっています。 実際、洗ったたまごはたいへん日持ちが悪くなります。

  私に知り合いのたまご屋さんが実験:
  無洗のたまごと洗ったたまごを冷蔵庫に六ヶ月入れておいたそーです。
  六ヶ月後:
  無洗卵・・・水分が蒸発して(?)白身が無くなり、黄身だけが乾燥し
        栗のよーな状態だったそーです。 そぉっと食べてみたが
        キブンは良くなかったけれど、食べられたそーです。
  洗浄卵・・・三ヶ月目くらいで外観が黒くなってきたので、割ってみたら
        腐ってしまっていたそーです。

この実験にはいろいろ異論もありましょうが、取りあえず、
      洗ったたまごはイタミやすい
という実証にはなりましょう。  そーいえば、以前にトシヨリから、“寒たまごは八十八夜までもつ”というのを聞いたことがありますが、条件さえよければ、あながちムリなことではないよーです。

 翻って市場のたまごは・・・・・・・。  そう、せっかく付いてる自然のバリアをお湯、洗剤、ブラシで洗い落としてしまっています。 そして、HACCP(*)とかに必死になっている・・・。 なんか滑稽にすら思えるのですが。 
 (この“自然のバリア”があれば、HACCPなどは不要と考えます。) 

 これを、自然の摂理に反しているといわずして、ナンなんでしょうか??

 本稿前回にも述べましたよーに、大量生産、大量流通、大量消費という市場メカニズムのなかでは、やむを得ないことなのでしょうね???


(*)アメリカ航空宇宙局が人間が宇宙船の中で必要な環境:完全無菌状態を
   保つための衛生基準、だそーです。
   しかし、われわれフツーの生活のなかで、そんなことが必要なんでしょう
   か??、、、というより、、かえって悪影響が出てしまうと考えていま
   す。 ある著名人も、新聞紙上で、

     人間はある種、微生物のバランスの中で生きている。
     そんな無菌状態にすると、菌に対して抵抗力が無くなり
     弱い人間になってしまう。 HACCPとかで過度に神経質
     になることは人類にとて決していい結果にはならない。

   と警告しています。  もちろん不衛生でいいなどというのではありま
   せぬが、行き過ぎはどーなんでしょうか。。。

 便-No.033(2003年3月6日号)


写真:
たかたま肥料乾燥場:
   自然の恵み・天日乾燥=大型ビニールハウス
     《エサが違うと肥料も違う・・・? ? ? ? 》 
     《他の養鶏場のより、“野菜”がすっごくおいしい》
   と、近在の農家で大評判!!   今、施肥の時期・・・

     3月5日 PM1:00

 またまた、関東に超大型(100万羽)養鶏場が二つ出来ました。 さらにもう一つ計画があるそーです。  もちろん最新式のウィンドレス鶏舎 & HACCP (*)仕様だとか。 しかし、たまごの需要としては飽和状態。 ここまでくると、もうこれ以上大型化が進んだとしても、今以上に価格が下がることはないでしょう。  どこかの養鶏場が廃業に追い込まれる、というカタチで推移するものと思われます。  
まッ、イマの競争の社会では仕方のないこと。  ますますたまごの価格、安値安定に貢献することと思われます。
(今、孵卵業界、ヒヨコ業界がほとんど外資系に独占されてしまい、)
(ヒナ価格が値上がり傾向にあるよーに、たまごもあまりに寡占化が)
(進むとかえって値上がりするキケンもあるのですが。      )


 農場大型化は、たまご価格安定ということで消費者のみなさまに貢献することではあります。 しかし、かつて本稿で述べましたよーに、

  《窓が無く日光の入らない、せまい空間で超高密度飼養の、  》
  《不健康(私にはそう見える)な環境:ウィンドレス鶏舎の鶏 》
  《から生まれた、そして、本来洗うべきではないのだが洗ってし》
  《まい、細菌が侵入しやすくなってしまったたまご(**)。 》      
だけがたまごとして 市場に出回る傾向が、ますます高くなることでしょう。
 (いえ、市場のたまごは、いまでもほとんど100%そーなんですが。)
そして、
こうした《不健康な鶏の住環境をそのままにして》、生まれたたまごだけを“HACCP仕様”と称して極端に衛生に気を遣う→ジツは、洗浄することでかえって細菌を侵入しやすくしている、、、というのはイカガなもんでしょうか?????

 大量生産による価格安定、そのための、やむを得ないこと(?)ではありましょうが、自然の摂理を無視して洗浄し、《事故》等が起きやすくしてしまった現在のマーケット。
そう、、
      衛生管理向上であるはずの“HACCP仕様”が
   たまごに関しては、かえって危険性を増してしまっている
       という、現代のパラドックス。
      なにかか狂っているよーに思います。

    ★★もちろん、たかはしたまごは無洗浄です。★★

             (*)NASAが開発した宇宙仕様の衛生基準。
            (**)本稿次回にご説明いたします。

 便-No.032(2003年2月1日号)


写真:
夕日;農場より西空を眺む。
     31日 PM 5:00
(クリックで拡大します)

    放し飼い鶏のたまごは??
 昨年来、食べ物に対しての不信感のウラ返しの感覚なのか、自然を標榜する、放し飼い系のたまごがモテはやされているよーです。  当該サイトをあちこち訪れてみると、たしかに、一見(!)、自然の中で、のどかそーにセイカツしているように見えて、こころ和むものがあります。  そして、当該アルジさんの多くは、

   1)大手の養鶏場はクスリ漬け。
   2)ここの放し飼いは、抗生物質等は使用してなく安全。
   3)エサは自分で作っている。(自家配合)
   4)だから安心、自然でたまごがおいしい。

のよーな内容のことをウタっています。 中には対比表まで作って説明しておられるとこもありました。  しかしながら、こーした放し飼いたまごを実際食べてみたところ、ワタシのいろいろな経験では、これはオイシイ、、と納得出来たものはひとつもありませんでした。 むしろ、ケージ飼いのほーに、おいしいたまごが多くあるよーです。  

 昔のたまごはおいしかった、、今のたまごはどーも、、。 それならば昔風に、放し飼いをすればおいしいたまごになる(ハズ)・・・ということで放し飼いにしておられるのでしょうか。  しかしこーした、ワタシが見た(サイト上で)どんな放し飼い農場さんも、大変手間をかけ、大変な努力をされておられるよーではありますが、昔農家の庭先で数羽が遊んでいて、おいしいたまごを生んでいたような環境は、再現出来ておられないよーです。

 そしてまた、上述四つのウタい文句も一部不備があるよーです。
   1)大手の養鶏場はクスリ漬け。
     これはマトを得てはいません。  大手といえど、昨今は
     こーした状況ではありません。 市場に大量のたまごが溢
     れている昨今、こんなこと、もしバレたら即刻取引停止。
     明日から毎日、大型トラック単位での大量のたまごが行き
     場を失うことになります。。 経営者としてそんなことは
     恐ろしくて出来ないでしょう。  今の市販のたまごは、
     こーした意味では、安心といえるハズです。
       (昔、薬漬けといわれも仕方のない時期が)
       (あったことは確かですが、その名残を、)
       (いまだに言っているのでしょうか。  )

   2)ここの放し飼いは、抗生物質等は使用してなく安全。
     これは、放し飼い農場だけではなく、大手といえども上述
     のよーに、今や、あたりまえ。

   3)エサは自分で作っている。(自家配合)
   4)だから安心、自然でたまごがおいしい。
     放し飼いで、自家配合、、だからたまごがおいしくなる、
     とゆーモンでは、ないでしょう。  また、大変苦労、
     努力されておられるよーではありますが、使用する
     飼料原料に、??? がある場合も散見されます。

 《おいしいたまご》、、、それはそのよーな:たまごがおいしくなるよーな、ことをしなければ、おいしくはならないでしょう。  私の体験によれば、それは、【放し飼い】でも、【自家配合】でもないよーです。  

 もっとも、《食べ物としてのおいしさ》ではなく、【人が鶏を見て心地よい】ものが良い、、とゆー評価基準ならば、放し飼い、自家配合は最良の方法といえましょう。  また、箸でつまめる、とか、楊枝がナン本ささる、とかの
    【見せかけの評価】
でも、放し飼いのほーに、若干、分がああるよーです。

 しかしながら、やはり、《食べ物》としてもっとも重要な要素は、箸とか楊枝の数ではなく、《自然なおいしさ》と考えます。  

   《見せかけや言葉だけではない、本物のおいしさを、》
   《ただ売るためだけではない、本物のメッセージを、》

たかはしたまごでは、従業員一同、こーしたことをこころに刻みながら、おいしいたまごをみなさまにお届けするため、日々の業務に励んでおります。

 便-No.031 (2003年1月2日号)


写真:
春の息吹 農場近傍にて。
   1月2日 AM 8:30
(クリックで拡大します)

 サイト閉鎖宣言!!??

 “たまご職人宣言”をいたしました。   (養鶏日記No.055)
常に、よりおいしいたまごをと考えています。
かくなる上は、もうひと言。

 いつも、おいしいたまごを探していますが、箸でつまめる、とか、楊枝がナン本ささる、とかの【見ための評価】ではなく、本来の食べものの評価である、

 『“おいしさ”という評価基準』で、
   ワガ、“たかはしたまご”よりおいしいたまごを見つけて、
   そのおいしさを超えることが出来ないと、私が判断したときは、
   当サイトを閉鎖します。

安全、安心 & “おいしいたまご”としてご評価をいただくよーになってからほぼ10年。  しかし、毎年同じではありません。 毎年毎年ごくごく小さな変化なので、おいしさの実感としては、ほとんどわからないかと思われますが、少しずつではありますが、確実に変化:10年前とくらべれば、格段に(?)おいしくなっています。

そして、今年も、次の一手を考えています。

安全、安心、と昨今よくいわれますが、“本来のおいしさ”を追求すればするほど、それは、必然的に、安全、安心なものになっていく、、というのが私のイマの実感です。  経済合理性を追求すればするほど、必ずヨブンなもの(?)を使用しなければなりません。   そして、それは“おいしさの素”の排除へとつながっています。

      安全、安心は食品としてあたりまえ。

      《おいしさ》が食品のいのちです。

      “たまご職人”のいのちにかけて。


とゆーわけで、当サイト閉鎖宣言!!??

 便-No.030 (2002年12月3日号)


写真:
初冬             
   12月3日 AM8:00 養鶏場近傍にて。
(クリックで拡大します)

    たまごの賞味期限(2)

私どもの直売所に来られるお客様で、

  このたまご、いつまでモツの??

とお聞きになられる方が、しばしばいらっしゃいます。
そんな時、一応、賞味期限のラベルは付けていますが、私は、“わかりません”、とお答えすることにしています。

  

  ちょっとランボーな言い方ではありますが、そして、
  不遜な言い方ではありますが、たかはしたまごをご利用いただく方には、

  あまり、こーした日付に頼り過ぎていただきたくないからです。
  ご自分の“眼”で、品質を見ることに慣れていただきたいからです。  

なぜなら、本稿前回 No.029
で述べましたよーに、賞味期限表示に頼りきってしまうことは、このたまごの“本来のおいしさ”をご理解いただけなくなるからです。

 《売るためのホームページ》を展開されておられる他店、他サイトさまでは、お客さまに買っていただく…売上げを増やす…ため、取りあえずお客さまの目線に立ち、お客さまの要望を取り込むことに全力をあげておられます。 

中には、販売アイテムを増やすため、さまざまな商品を組み合わせたり、直売出来ないよーな低ランクのたまごの有効利用をするため、プリン、たまご焼き、ケーキ、クッキー等のたまご関連製品の製造販売をされるところもあり、それなりの実績をあげておられるよーです。

 そーしたコトが、売上げも利益も増加し、ウマミがあり、商売としての王道でありましょう。  しかし、あえて私どもでは、そーした戦略はとりません。  あくまで“たまご職人”(こーした言葉があるかどーか、存知ませんが。)に徹し、“たまごのおいしさ”にこだわり、そして、お客さまに、一番おいしいたまごを召し上がっていただくために、とゆーことで、日頃仕事をしております。  例えば、サイト構成の仕方にしても、《売るためのホームページ》によくあるよーな、お客さまの目を引くよーなレイアウト、気を引くよーなコンテンツ、楽しませるよーな色使い等のこころ遣いは、特にはしておりません。  

  あくまでも、おいしいたまごをお求めになるお客さまに、
  そーした、たかたま現場の姿、フツーのたまごの実体等の
  情報を、そのままお伝えすることを、心がけております。

 同じものなら、出来るだけお求め易く、安いことが望まれます。 しかし、私どもの、たかはしたまごは、上述の《売るためのホームページ》で販売されているものに比べ、高い(*)かもしれません。  しかし、どこよりも“おいしい”と自負しております。
いままで、さまざまなサイト、バーチャルモールで販売されているもの(十数カ所)を試した、私なりの結論です。
 (中には、たかはしたまごより高くて、低品質のもありましたが‥‥)

 《食材としてのたまご=おいしさが第一》、というわけで、冒頭の

    お客さま:このたまご、いつまでモツの??
      私 :“わかりません”

と、なります。  もっともそのあと、補足説明はいたしますが・・・・


    (*)経済効率最優先ではなく、私なりに考える、当たり前のことを、
       当たり前のよーにやって、このよーな価格となりました。
       しかし、50年前からの、他の物価上昇と比べてどーでしょか??
       そんなにワリ高ではないと思うのですが。

 便-No.029 (2002年11月1日号)

写真:柿 農場のかたすみで。
          11月1日  AM 10:30
(クリックで拡大します)

    たまごの賞味期限

 賞味期限表示、それは、なぁんにも考えずとも、その内容さえ守っていれば、取りあえずは心配なく食べられる期間、といえましょう。  大量生産、大量販売のなかで、消費者majorityに対しては、ジツに正しい方法といえましょう。

 しかし、たまごの場合、少しでもオイシイものをオイシイ状態で食べることを日頃考える人にとっては、ジツに不合理な、イヤ、まったくのマチガイといえましょう。

 この問題を、根底からキッチリおはなしするには、本欄の10倍以上のページを要しますので、結論だけをかいつまんで述べることにします。 

   1)たまごは新鮮なものほどおいしい、、のではない。
   2)冷蔵庫に入れるとおいしさが損なわれる。
   3)水洗いしたたまごは日持ちがワルイ。
   4)若い鶏のたまごの方がおいしい、というコトではない。
   
いずれも“常識にウソ”ともいえるかもしれませんが、これらは、おいしいたまご、あるいはたまごをオイシク食べるために考えなければならないことです。  しかし、賞味期限表示票に書いてある内容は、これらとは相反することばかりです。 

実際は:
 1) ここのBBSの参加者も述べていますが、ゆで卵にして
   殻が剥けるよーになる頃が一番おいしいよーです。
    新鮮なモノほどオイシイというのはマチガイ。
 2)賞味期限表示票では、10度C以下にするよー求めています。
 3)市販のパック卵はほとんどが水洗いしてあります。
 4)実際は老鶏のたまご(殻が薄くなる)のほーがおいしい。
  (ただ、卵殻厚は鶏の若い古いだけでなく、エサの影響が大。)

、、、というわけで、1)2)より、《見かけの鮮度》と《おいしさ》とは別のものであり、また、賞味期限表示票に書いてあることを守ると、おいしく食べられないこともおわかりいただけましょう。 

“日持ち”を考えれば、冷蔵庫にいれた方がいいのは当然です。
しかし、“オイシサ”を思えば入れないほうがいい。
こーした、相反する中で、たまごをオイシク食べるには、『期限内だから絶対大丈夫』ではなく、消費者のみなさまにもある程度考えていただき、
    “品質を見る眼”
を持っていただくことも必要と考えます。

 もっとも、《見かけの鮮度》と《おいしさ》といっても、
      ・もともとオイシサのないたまご
      ・水洗いしたたまご
 は、せめて鮮度だけは保たせないと困りましょう。
 そーしたたまごはとにかくスグに冷蔵庫に入れましょう。 
 なにも考えずに。。。


冒頭にも述べましたが、消費者majorityに対して安全のため最低限の方策としては、この『賞味期限表示』、ジツに正解なのですが‥‥。

 便-No.028 (2002年10月3日号)

写真:台風一過 農場にて。
   10月2日 AM8:00 
(クリックで拡大します)

 20年オクレている?

 久しぶりの強力台風。しかも直撃しそー。。。  緊張しました。       
結果は幸い、当地方、直撃は免れましたが、結果は写真のとーり。 一本だけですが、結構大きな木が倒れてしまいました。  被害は、ごらんのとーり、ビニールハウスが少々損壊しただけで、鶏舎にはほとんど影響ありませんでしたが。 (軽微な損壊アリ。)

 ワガたかはしたまごの鶏舎は、南の太陽光、風をなるべくたくさん取り入れるため南向きに大きく開口部をとってあります。(オープンエア型)  普段は、どの鶏も、一日に一度は必ず太陽光を浴び、新鮮な空気がよく入り、誠に好都合なのですが、今回のよーな強力な台風のお出ましにはさすがに・・・。   中心がそれたから良かったものの、もし、今回のよーな、風速40〜50mが直撃したら、おそらくは、こんなモンでは済まなかったと思われます。  

 でもこんなとき、サイト内で私がしばしば引き合いに出す、最新型ウィンドウレス鶏舎は、そんなに心配はないことでしょう。 なにしろ、その名のとーり、窓もなく、太陽光、風などは入るべくもありませんし、建築基準法にのっとった頑強な作りとなっていると思いますので。

 まあ、鶏舎を頑強にすることに異論はないのですが、鶏の生態にはいかがなモンでしょうか・・・。 
   (詳細はサイト内をごらんください?
最近では、HACCP(*)対応と称して、鶏舎内部以外の、たまご作業関係部分の消毒等を徹底し、消費者の見学コースを設置したりして、そのことで、たまごの安全性を消費者にアピールし始めているよーですが、肝心の
        《ニワトリの居住部分の環境》
については、なぜか、言及していないよーです。  たまご本来の姿を顧みるとき、HACCPは必要ないと考えます。 
 (その理由について述べるには紙面が足りません。いずれ別の機会に。)
それが、大量生産、大量販売のなかでしかたなくこーした手法が生まれてきたのでしょうが・・・。 

 《たまごの健康》それは、《鶏の健康》が一番重要であるハズです。

・・・というわけで、ワガたかはしたまごでは、
これからも、こーした、いわゆるオープンエアタイプに
こだわっていくつもりです。
これは、20年前全盛の方法でした。
私が20年オクレているのでしょうか・・・???

 (*)HACCP:アメリカNASAが開発した,
     宇宙旅行に必要な超厳密な衛生管理手法。

便-No.027 (2002年9月3日号)


写真 秋の気配:養鶏場近傍にて
   9月3日 AM 12:20

水産用、畜産用???

伝言広場8月24日のRes (No.579) の補足:
最近スーパーのたまご売り場等で“植物性飼料使用”と銘打ったたまごが
散見されます。 おそらく主目的はコストでしょうが、植物性→健康志向
ということで、消費者のみなさまに訴える意図と思われます。 しかしな
がら私の経験では、鶏のため、おいしいたまごのためには、たいへん高価
だけれども、どーしても動物飼料(魚粉)は必要と考えております。

  最近の鶏用飼料の全国平均魚粉使用量0.9%(日鶏連調べ)、中には
  完全直物性と銘打って、0%のものもあるそーですが、ワガたかはし
  たまごでは10%〜12%使用しています。

 ところが、この魚粉が、人が食べられるようなものから粗悪品までそれ
こそピンからキリまで。(粗悪品は論外ですが。)   一般的にいって、
水産用と畜産用に分けられるよーです。   
 1)水産用は養殖魚用に用い、たいへん高いレベルの品質が要求されます。
   こちらは品質が悪いと直ちに結果に現れどーしても品質を落せません。
 2)畜産用としてはそれほど高いレベルは要求ない、、とされています。
   こちらは、多少品質が劣化してても、さほど影響は受けにくく、
   それほどの品質でなくてもよいということになっているよーです。
  そのために、製造課程で、ドーセ家畜のえさだから、、、、といった
   品質に対しての基準がやや、アマくなっているよーです。

 私が,かつていくつかの魚粉工場を見学したことから思うに、こーした品質の
ちがい、それは、魚を船からあげて、魚粉として加工するまでの時間、つまり
魚粉製造時の原料魚の鮮度のちがいによるものと思われます。 ある工場では
それはそれは立派な冷蔵ストックヤードを持ち、またある工場では簡単な屋根
だけのストックヤードで、大量の水揚げの時は一日で処理しきれず何日もその
ままで保存(?)放置(?)していました。    後者のほーは、正に、2)の
典型でありましょう。   前者の魚粉は、ごはんにふりかけとして食べても、
十分おいしいものでした。
      (この他、漁った魚を船上でスグ加工する、工船ミール)
      (といわれるものもあります。  ←極上水産用   )
というわけで、コストの関係から、一般的には後者の魚粉を使用する場合が多い
…それでも実害は無い(冒頭部のよーに使用量が少ないから??)…のですが、

   ワガたかはしたまごでは、加工工場指定の水産用魚粉、
   または工船ミールだけを使用しています。

実害は無い、とはいうものの、魚も、家畜もヒトも同じ《いのち》。  No.579
のよーな事例もあり、やはり、経済優先、ドーセ家畜のえさだから、、といった考
え方はいかがなモンでしょうか???

便-No.026 (2002年8月1日号)


写真:片山醤油(クリックすると拡大表示します↑

以前にお客様から、たまごかけごはんに合うお醤油を、、、という問い合わせ
をいただきました。  その後、いくつかの醸造やさんをまわり、また、試用
してみました。 それぞれが、伝統〇〇〇年を誇るだけあって、大変個性的で
おいしいお醤油でした。 しかしながら、たまごごはんに使うとどーも、シッ
クリいかないのでした。たまご、ごはんとお醤油が喧嘩をして、お醤油が勝っ
てしまう(たまごが負けてしまう)のでした。

 そんな中、あるお客様から、片上醤油さんという奈良県のお醤油やさんをご
紹介いただきました。  

    たまごごはんに試用してみて、一口。 感動でした。

何がって、、お醤油であることは、当然スグにワカるのですが、最初の一口に
お醤油を感じさせないで、たまごごはんを感じさせるのでした。  

  お醤油としての自己主張をせず、素材のおいしさを引き立てる・・(※)

そんな、ジツに、おくゆかしいお醤油でした。  それまでに、いろいろ試し
たもの全てが、大変にお醤油を意識させ、いかにも、
   さぁーお醤油だよ、お醤油だよ、、どーだい、このお醤油は…
といった、ある種挑戦的にすら感じるものでした。 使い方によっては、それ
がイキてきて、おいしいお醤油、ということになるのですが、たまごごはんの
場合はそれは、どーもチョット違うのです。

 このお醤油のおいしさの表現、私には、(※)ぐらいにしか言えませんが、
ある《食のプロ》にこのお醤油をご紹介したところ、以下のよーなメッセージ
をいただきました。 お許しを得て、全文をご紹介いたします。 ご参考にし
ていただいて、このお醤油のアジワイを感じていただければ、うれしいです。

     高橋様
     池田です
     片上醤油、ありがとうございました。
     これはお醤油というより、芳醇なヴィンテージもののワ
     インそのものですね。
     そこでワインのテースティング用語に沿って評価してみ
     ました。
     清澄度、透明度、一点の濁りもなくピュアそのもの。地
     醤油というのは味噌溜まりの匂いを残して色も不透明な
     イメージなのですが。
     色には照りがあり、瓶を揺らして鼻を近づけるとアロマ、
     ブーケがマイルドなフレーバーとなって立ち上がります。
     思わずこのまま飲んでしまいたくなるフルーティな芳香。
     ボディもしっかりしててなおかつ絹のように爽快、若々
     しいのにリッチ、フィニッシュはキレが素晴らしく、そ
     れなのにベルベットの如き豊満さを余韻として残します。
     塩分は相当濃いのに、水のように爽やかですね。白いご
     飯にぶっかけで食べてみて、これだけで1杯食べれそう。
     たかたまのなまたまをプラスしたら、もう、至福の一膳。
     水で10倍に希釈しても、ボディはボケませんでした。醤
     油に付き物の、醤油臭さという鼻にツンとくるトゲが感
    じられないのが何よりの美点。素材とケンカすることが
    ない。昔の大和撫子と同じで、美貌なのに一歩下がって
    かしずいてる。関西料理の料亭の板長さんが飛びつくん
    じゃないでしょうか。東京のおそば屋さんはむしろ評価
    しないかも知れませんが。

もう一つ別便にて:
    ひと言で表現すれば、宝石の光輝を保ちながら清純な気
    品があり、奥ゆかしい醤油。高橋さんの言う通り、お醤
    油が自己主張せず、たまご、ごはんのオイシサを引き立
    てます、に尽きます。
    なまたまかけごはんの普通の順序は、白いご飯にたまご
    を割りかけ、醤油を垂らし、かき混ぜる、だと思います
    が、白いご飯と片上醤油とたかたまの組み合わせの場合、
    白いご飯に先ず醤油をのの字を描いて垂らし、次にたま
    ごを割りかけ、かき混ぜないで食べる、のが正しい食べ
    方だと思いますが、いかがでしょうか。この方がご飯、
    醤油、たまごそれぞれの味をしっかりと楽しめる気がし
    ます。口の中で初めて三者が混合することで、味の立体
    感が出てくるような印象です。


また、このお醤油と巡り逢えたことを記念して、

    
わたしの、なまたまごと鉄釜ごはん

と題して簡単なエッセーを募集いたします。
  イマドキ、昔ながらの鉄釜でごはんを炊いておられる方は少ないかと
  思われますが、やはり、《おいしさ》ということでは、これに優るモノ
  はないよーです。
  、、というわけで、【我が家のジマンの鉄釜】はこーだよ、、といった
  エピソード等をお持ちの方、ぜひ、お寄せくださいな。

また、鉄釜ではないけど、ウチのたまごかけごはんはこんなにおいしいゾ、、
といった方、

   
わたしのたまごかけごはん

と題して、お寄せくださいまし。

応募要項

 
メール:件名・なまたまごはん
     住所、お名前(ふりがな)、TEL メールアドレス記入のこと。
  
字数:特に制限はありせんが、3000字程度としましょう。
      (もっと長くても、また短くてもかまいません。)
募集期間:9月15日まで。
  
審査:たかたまの ドクダンとヘンケン による。
  
賞品: 優秀作3名様に 『たかたま20個+片上醤油360cc 』(#) を
      
3ヶ月分(毎月1ケース×3回)を進呈。 
       ((#)ご希望によりたかはしたまご30個でも可)
  
発表:9月30日。たかたまHP上に、作品内容も発表させていただきます。 
            (作品の公開を望まれない場合は公開しません。)
 
    場合によっては、《該当者なし》の場合もあることを
    ご承知おきくださいませ。

便-No.025 (2002年7月3日号)


写真:つゆ空 農場近傍にて
    7月3日 AM 6:50

海洋深層水塩

 4月から、飼料用に沖縄海洋深層水による非加熱製造の塩を使用しています。
(以前はフツーの精製塩デシタ。)
大変高価でして、チョットためらいましたが、思いきって使用してみました。

・・で、三ヶ月してその結果。  
 経営的には良い数字は出ませんでした。 というより高価な分だけマイナス。
しかしながら、鶏の様子が違ってきました。 いろ〜んな場面でのレスポンス
が良くなってきたようです。  まぁ、産卵寿命おおよそ一年というなかで、
大規模経営的ソロバン勘定だけでみれば、これはを使うべきではないでしょう。
けれども、明らかに、鶏の健康にはタメになっているようです。 
というわけで、この、海洋深層水非加熱製造の塩を使い続けることとしました。

 たまごの味も、ビミョーにヨクなったような気がします。   もっとも、
この変化は、ときとして感じ方がちがうので、まだ、ヨシと決めつけることは出来
ません。 (ワルくはならない。) もう少し経過を見てから、改めてご報告いた
しましょう。

 ところで、コノ塩、食用にも絶品です。  (←アタリマエ。もともと食用。)
ゆでたまご、目玉焼きに、あるいは野菜サラダ、天ぷらに、フライに、、、、、
いままでの、“しお味”の感覚が一変します。   
  ☆☆みなさまもぜひ一度お試しになることをオススメします。☆☆

 また、一般的には、「塩分は血圧によくない」といわれていますが、こうした、
精製塩ではない、『天然の海からの塩は血圧にもヨイ』そうです。
  (あるテレビ健康番組より)


    ★★ 生物の起源は海から・・だそうです。 やはり鶏も人も ★★
、   ★★ 海の幸の恩恵を最大限取り入れるべきなのでしょうね。 ★★


便-No.024 (2002年6月10日号)


写真:あじさい 病院の前庭にて。
   6月7日 AM 9:00

  脱走ではなく、ハレて退院…といっても通院リハビリは当分続くが。
3週間:以前にアキレス腱を切った時に5日ほど入院したことがあった
けれど、こんなに長期なのは初めてのコト。  飲食関係のビジネス誌
を読みふけった。
 新業態、ビジネスモデルの開発、etc, etc ・・・。不況のささなか
生き残りのためのソフト、ハード両面でのさまざまな方策が論じられて
いる。  チッポケな個人事業の私にとっては、あまりにも大きすぎる
話題だが、そのエッセンスはやはり、大いに参考になった。 

 そんな中、ある外食専門再建請負人(?)が、
   《マニュアルに頼らず、人の五感を重視すること。》
   《最大のお客様は従業員であること。      》
と説いていた。 それは、業績不振の原因を外部に求めるのではなく、
内部:ヒトの問題として捉えなければならない、、というものだった。
それは、マニュアルもノルマもなく、全てを従業員の自主性にまかせ、
お客様より、従業員を大切にする、、、という私の考え方にも似ていて
    わが意を得たり
の思いだった。   しかし、それはまた、当方のような零細業者が、
大企業に互するための最大の方策。 大企業でもココまでやるように
なったか・・・という思いでもあった。

  ‥‥  ‥‥  ‥‥  ‥‥  ‥‥  ‥‥  ‥‥ 

 ……など・など・など・・・
この3週間は仕事現場から離れて、ふだんとは違った角度から自分を
見つめ直す良い機会でもありました。 欧米では、時として、一ヶ月
もの休暇をとるとか。。。 その意味が少しワカったような気がしま
した。  
  何の仕事もスケジュールもなく、一定期間(長期の)真の
  自由のトキの中に身をおくことの意味が。。。   
  それは、短期間に忙しくスケジュールに追われながら過ごす
  休暇(旅行等)では決して得られないことを。
ただ、こうしたことが出来たのも、お客様、従業員、その他多くの
人々のご理解と支えがあってのこと。 
改めて、みなさまに感謝です。
  ☆☆☆ ありがとうございました。 ☆☆☆

便-No.023 (2002年5月1日号)


写真:新緑 養鶏場近傍にて。
   4月28日 PM2:30

  お客様を選びます!! ??
 狂牛病以来、食品の擬装工作の表面化が相次いでいます。
景気低迷のなか、売上増が至上命題とはいえ、メーカー(商社)の倫理観欠如
には呆れたもの。、、、とはいうものの、こうした偽装工作、行った側だけの
モンダイなのでしょうか・・・??

 小売り側にも、モンダイがあるように思えてなりません。 こちらも、乱立
する店舗数のなかでの売り上げ競争、その結果仕入れに際して、売る側に当然
のように突きつける条件“欠品厳禁”。   このことが、さきの偽装工作を
誘発したという側面も否めないことと考えます。

 メーカー(商社)側担当者は、《欠品すれば、取引停止》という小売店側の
“脅しモンク”のなか、組織の中での“自分のクビ”を思うときには、やむを
得ないことなのでしょう。 しかし、やむを得ないことで済むことではないの
は当然で、そこを、しっかり管理するのが、管理職:経営者のはず。  
ところが現実は・・・ゲンジツのようで。。。

 しっかり管理する、、とは・・・。  やはり、真にお客様のことを思い、
自社のことを思えば、ナイものはナイを貫き通すことと考えます。  誤解を
怖れずにいうならば、単に仕入れればいい流通業とちがい、需要量と生産量の
一致がむずかしい第一次産業品では、特に。 相手の状況を考えず、一業者に
無理難題(欠品すれば、取引停止)を強要しているとするならば、それは、
買い手側の怠慢と言ってもよいでしょう。  そして、そうした事情を解せず、
ただ“欠品厳禁”だけを標榜するお客様(小売り側)は、売り手の方からお断
りする、ぐらいのことが必要、長い目でみれば、その方が、必ずお客様の信頼
を得られることと確信します。

 ジツはわが、たかはしたまご でも、ときにはお客さまと喧嘩してでも、
《ナイものはナイ》を貫き通しています。
     

  たかはしたまご養鶏日記 No.024  2001年9月1日

ご理解いただけず、無理を主張するお客様はお断りしています。  
   お客様はお客様の立場でお店をお選びになります。
   全く同様の理由で、お店の方でも、お客さまを選びます。
これが、商品に対して責任を持つ、売り手としての当然のスタンスと考えます。

 大量生産品を扱って、販売チャンスロス低減、大量販売をめざす大手の戦略と
は、明らかに逆行するものではありますが、“こだわり品質”を求めるお客様が
いるかぎり、やむを得ないことと考えます。

 ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ 

 “お客様は神さまです。”そう、、すべてを理解して下さる方が“神さま”です。
そーした“神さま”には、全力をかけて、どんなフォローもいたします。

便-No.022 (2002年4月1日号)


写真:松本醤油熟成用大樽
   タガの修理待ち:
   大きすぎて現代では大変な苦労。
    3月28日  AM 11:30

老舗の醤油醸造元に行ってきました。  …川越市・松本醤油。…
一言でいえば、大手には出来ないシゴトをしている、、ということ。

例えば、醸造用釜(?)。
大手メーカーの量産用では、二重構造の金属製のものを用い、
間に蒸気を通し(加熱し)短期間(100日以下)で熟成、完成させる。

 この、松本醤油では、創業以来200年以上の間、木造の蔵、巨大な樽を
使用し続けている。 温度制御はやらずもっぱら自然まかせで、仕込みか
ら二年間。  それでも、夏は熱帯夜が20日以上続かないと熟成期間を延
ばさなければならないという。  また、200年の間、蔵、樽には酵母菌が
住みつき、微妙に影響を及ぼし、 例えば、樽が老朽化した時、新しい樽を
使用したのでは、今と同じ味の醤油は出来ないという。  その点で、
二年間の歳月をかける醤油は、二ヶ月前後で出来上がる、日本酒以上にシ
ビアなものだという。  そのために 、大きすぎる樽の、大きすぎるユル
んだタガの補修に大変苦労するとか。

 ことほどさようで、ご神木を中心に点在する醸造蔵、手作業によるきめ
細かなシゴト等、いたるところに伝統を守る気概、誇りを感じるのは私だ
けではないはずだ。 近代科学を駆使する醸造技術者には、理解に苦しむ
ものなのかもしれない。
しかし、出来上がる製品をみれば、その違いは歴然としている。

 それは、以前にも述べたが、IT の進化が 世の中の進歩をもたらしている
ようだが、ジツは大きなひずみをも露呈している……という、 IT の限界に
対しての、現代の反省材料のような気がする。

冒頭の、《大手には出来ないシゴトをする。》・・・これはまさに、たかは
したまごの発想の原点でもあり、感動のひとときだった。

 ☆☆松本醤油のみなさま、お忙しい中、ありがとうございました。☆☆

便-No.021 (2002年3月1日号)


写真:うめ、満開 養鶏場近傍にて。
   2月28日 PM2:30

 最近、輸入野菜の農薬残留に関しての安全性が問題になっています。
たしかに、農薬使用に対しての安全基準ということでいえば、日本のほうが
きびしいようです。  では日本のその安全基準を満たしている野菜ならば
安全なのでしょうか???
 答えは『否』。。。のようです。 さらにいえば、このままだと、日本の
野菜は、農業は、いえいえ全てが、末期症状といえるのかもしれません。 

 安全性についてかなりスルドク監視追求している消費者グループでもこの
問題についてはなぜか触れていません。  (気がついていないのか??)
この問題、とは硝酸態窒素のこと。 
 もちろんこの硝酸態窒素は植物には必ず含まれているものでこれ自体が害と
いうのではなく、過剰がモンダイなのだそうです。 この硝酸態窒素が過剰に
残留する乾草を牛に給与すると、牛などは死んでしまうそうです。
 この硝酸態窒素の残留の世界基準の上限が2000ppmだが、たとえば、日本の
ほうれん草などは、ほとんどが4000ppmを越えているそうです。  ちなみに、
ほうれん草は、色の濃い、緑ミドリした(おいしそうな?)ほど硝酸態窒素濃度
は高く、色はややうすめの緑のほうが安全なのだそうです。。

 では、なぜこうした事態になったのか??
土中に微生物がいなくなったからだそうです。 微生物が過剰な硝酸態窒素を
分解し、ビタミン等を合成し、健全な植物を育てているのだそうです。 
ところが、この微生物がいなくなったため、上述のようなことが進行している
ようです。   《農業の本質はただ有機肥料を施せばよいというのではなく、
この微生物が育つ環境をつくること》とは、ワガ自然の恵みグループの黒岩氏の
言葉。 (養鶏日記No.013 2001年3月13日)
ちなみに、こうした微生物が豊かに生息している土壌のほうれんそうは色がやや
うすめだそうです。

 “土づくり”が叫ばれて久しいのですが、いっこうに改善されている様子は
見られないようです。 しかし、これは、農家だけが責められるモンダイではあ
りません。 わがサイト内でも再三述べましたが、養鶏でもしかり、、いえいえ、
世の中、あらゆるコトが経済効率優先(オカネを儲ける)だけを基準に考えられ
た結果、と断言出来ましょう。  その結果がこうした土壌の問題だけでなく、
以前にはなかったアレルギー疾患の多発、青少年のこころの荒廃とは無関係では
ないと考えます。
 翻って農業を思う時、“農協”の役割、責任が、いまほど問われるときはない
のではないでしょうか。。。  “地域の長老支配の農協”から脱却し、農業の
本質を考える、若い農業人を育てることに全力をあげていただきたい、と思うの
は私だけでしょうか。

“良心的”を貫いても、倒産の憂き目にあう、いまの時代。 
しかし、政治がワルイから。社会がワルイから。。。では解決しません。
ひとり一人の個々が、物事の本質に回帰することが、唯一の解決法と信じます。

便-No.020 (2002年2月1日号)


写真 冬景色 養鶏場近傍にて
   1月30日 AM 8:00

『人は子供のころの食生活が身に付いて、大人になっても同じものを食べ続ける。
だから、今の子供に出来るだけ多くのハンバーガーを食べる習慣をつけさせる。
そうすれば、われわれは将来のわたり、業績が伸び続けられる。』
あるハンバーガー屋さんの社長の言葉です。


 少し前までは、ごはん が日本人に主食と決まっていましたが、最近ではうどん、
そばはもとより、ラーメン、パスタ、パン、ハンバーガー等の小麦製品を常食にし
ている人も多くなってきたようです。  多くの国の(食)文化を取り入れ自分の
ものにしてきた日本人にとってそれはごく自然のなりゆきといえるでしょう。

 しかしながら、
ある先生が、『数千年来、米を食べ続けてきた日本人の遺伝子が、30年50年で
そう簡単に換わることは出来ない。食の急激な変革は必ず異変をもたらす。』と
警告されておられ、私もある種不安を感じておりました。けれども、我々日本人は
“ごはん”のおいしさをを忘れたわけではないようです。 

 実際、
ワガたかはしたまごをご利用いただいたお客さまから、
  ・ごはんが好きになりました。          ←高校生
  ・ たまごかけごはんが好きになりました。    ←中学生
  ・ 昔のたまごかけごはんを思い出しました。   ←年輩の方
  ・ 家中で たまごかけごはん をオカワリしました。
等々のお言葉をいただくことが多くなりました。

 また、たまごに限らず、これさえあれば、あとはナンばいでも食べらる、という
おかずの一品をもっておられる方もわりあい多いのではないのでしょうか。

 冒頭の言葉は、そのまま受け取れば、大変な危惧(さまざまな問題が予想される
食事環境の変化、咀嚼回数の減少による体の退化等)を感じるのですが、実際はさ
ほどの心配はないようにも思われます。


 おいしいごはんが食べたくなったら、ごはんを素材にした、
     “おいしいごはんが食べたくなったら”    (←ちなみに1600円)
      野崎洋光著 柴田書店刊          
がオススメ。  83品の、レシピは勿論のこと、わかりやすい作り方、鬼気迫る
みごとな写真が載っています。   (たまご料理はほとんどありませぬが。)
別に柴田書店のマワシ者ではありませぬ。 私がホレ込んだ本の一つです。

便-No.019 (2002年1月1日号)


写真 新春…もう春。乙女つばき 
      我が家の庭で。
      2002年1月1日 PM3:00

不景気、事件で明け暮れた21世紀初年でした。
そんな昨年暮れ、ある会社にご注文いただいたたまごをお届けに行きました。

 いやぁ、スゴイ。 驚きました。 感動しました。  何がって・・・・
受け付嬢の態度。。。 それだけなら、ままある事なのですが、初対面の
私に対しての、まわりのすべての社員の、なにげない仕草、雰囲気が、ごく自然で、
なんともいえない、温もりを感じるのです。 また来てみたい…と思わせるような
雰囲気が、社内に漂っているのです。  これは、社員教育、マニュアルなどでは
とても表現出来るものではなく、社員全員が、自らがかもし出すナニか、、としか
いいようのないものでした。

 その会社は、本稿No.009 でもご紹介いたしましたが、大手製菓会社も日参する、
埼玉、いや、今や関東No.1(小林一博先生談)の菓子問屋虎屋商事。  同業大手
他社が相次いで撤退していく中で、同社が好業績をあげる理由の一つを、垣間見た
ような気がしました。   
  
   アノ、雰囲気はナンなのか。

徹底した経営データの公開による、社員の会社に対しての絶対の信頼感でしょうか。
 
更に、一言でいうならば、”社長の人徳”とでもいいましょうか。

その一端をあらわすエピソード::社員として働く社長の奥様が、社長室で昼食を
とると、公私混同はイケマセン、、と奥様を諭されたとか。
このことに賛否両論はありましょうが、こうした常日頃の、若き社長の真摯な後姿が、
全社員の社長への信望、そして、それが会社全体の顔、雰囲気として、具現化されて
いるような気がします。

業績を景気、不景気等、外的要因に求めるのが一般的でしょう。好景気では玉石混淆、
どんな会社も右肩あがり。 しかし昨今のような不景気になると、真の『玉』がよい
意味でアブリだされてくるのでしょうか。  そんな、真の『玉』、真の強い会社、
虎屋商事。そんな想いの、昨年暮れの、感動の一日でした。

《大きな大音量のスピーカーより、小さな世界の声に耳を傾けよう。》(2002年1月
1日朝日新聞)・・・新聞の論調とはやや違いますが、やはりナンにつけ、巨大なモ
ノよりも、小さなモノの方に真の『玉』があるようです。

高柳元一社長率いる虎屋商事株式会社。 経営コンサルタント、小林一博先生(*)
のクライアントです。   

 、、、で、、、ワガたかはしたまごの今年は。。。。。

   (*)小林先生へは、当サイトリンクページよりジャンプ出来ます。