たかはしたまご便り-No.009(2001年3月1日号)
本稿 No.007 で、IT について記述しましたが、私がご指導をいただいている経営
コンサルタント小林一博先生の著作の中から、最近、その答えの一端をかいま見る思
いをしております。 詳細についてご希望の方は、下記バックナンバー等をご覧いた
だければと存じますが、いずれも、非IT, 反IT ともいえる内容です。
【以下7項まで、柴田書店刊‘月刊ホテル旅館’誌2000年8月号からの
“異業種に学ぶホスピタリティ”と題する連載の中から内容を表したものです。】
@会長のひらめきによる、業界常識外の顧客志向製品開発。《いせや》
A顧客、商品を大事にするホスピタリティ。 《たかはしたまご》
B働く人相互の、地域顧客との思いやり、温かいふれあい。《サウスウェスト航空》
Cたかがオタク相手、だが顧客志向の強い真摯な経営姿勢。《イエローサブマリン》
D既成概念という、人の心の内にある、目にみえない壁。 《MK タクシー》
Eなじみ客、なじみの店員という、昔ながらの商法を確立。《ノードストローム》
F『小原庄助さん』コンセプト。 《天山》
G経営不振で大手が続々撤退していく中、大型IT 投資を
せずに営業マンと顧客との接点を大切にし、その結果、
今では関東No.1 の、若き社長率いる菓子問屋。 《虎屋商事》
H地道に、魅力的なDMを出し続け、圧倒的な信頼を築いた《フレッシュサービス》
I一見不要にも思えるが、優秀なドアマンを配置する。 《帝国ホテル》
(いずれも敬称略。文責: 高橋)
いずれの会社も、日頃の定型業務ではIT化を進めておりましょうが、売上の原点と
なる部分……顧客との接点……では、決して、IT 化を急がない、否、きっぱりと否定
すらしていることがわかります。 これらは、日本中をおおう、大量生産、大量販売
が招いた質の低廉化(小林一博先生)に対してのアンチテーゼともいえましょう。
そして、こうしたことには未だIT の入り込む余地のないことを意味している、と言っ
てはいい過ぎでしょうか。
IT 技術の、さまざまな利用法開発、すざましいビジネス化がはかられるなか、上述
のような会社経営に限らず、われわれ庶民の生活でも 、ともすると、IT 過信状態に陥
りやすい社会環境になりつつあるように思います。
IT 化によってなにが出来る、できないではなく、なにが本当に必要か、という観点
から、時には、便利さの誘惑を排除する勇気が必要なこともあるのではないでしょうか。
一人ひとりが、しっかりと地に足をつけて、人とひととの豊かなふれあいのために。
(たかはしたまご便りNo.007 参照)
《小林先生、柴田書店両 H.P、当サイトリンクページよりジャンプ出来ます。》
写真; 黒岩農園育苗室にて。2月18日 AM11:00
“自然の恵み”
愛情いっぱいの自家製自然堆肥に、
太陽のエネルギーをいっぱいに受けて。
……しっかりと大地に根を張り、春はもうすぐ…… |